―――"さくらは、オレ達が守る"
そう言ったザンザスさんは、すごくカッコ良かった。
「王子が姫を守んのは当然じゃん?」
「…ベルさん」
「さくらはもう私たちの仲間なのよ!」
「ルッスーリアさん…」
「敵の手にさくらを渡すわけにはいきませんしー」
「フランさんっ」
フランさんは、私の手を取ると指にあのリングを嵌める。
それは白く透き通った炎を灯し、夜の空気の中に煌めく。
ロッシさんはため息をひとつつき、笑みを浮かべた。
「皆さまがそう仰るなら安心です。
早速ですが明日、笹川了平氏がボンゴレ上層部の命にて此方にいらっしゃるとの事です」
「まあ、了平が!?上層部の命令って何かしら」
ボンゴレ10代目ファミリーの晴の守護者、笹川了平。
了平がヴァリアーに来ると言うことは、漫画においてまだ未来編が始まっていないのだろう。
「ここ数日、ミルフィオーレによるボンゴレ狩りは激しさを増すばかりです。
本部の生存者はほぼ0に近いとの報告を受けております」
「!!」
主人公である沢田綱吉も、この時代では死亡とされているのだ。
いよいよ私は、血生臭い悪夢のような物語に足を踏み入れる事になる。
守るべきものがある
←→
[戻る]