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:)07 脅しという名の勧誘





「綾乃ー?…ほら、早くおいでよ」


あの後、私は千紗と一緒にC組へ行った。
…まぁ私はまだC組の扉の前にいるけど。


自分のクラスに戻っても良かったんだけど今は千紗と離れたくなくてC組にいた。

そして今千紗に催促されているという状況なのだ。


「はーやーくー!」


また催促が…入ろうかは入らないか…。

よし、決めたっ!入ろう!

そして意を決してC組に入り千紗のとこへ行った。


「やっときたー!もう、普通に入ってくれば良かったのに!」

「だって入りにくかったんだもん…」

「そう?…まぁいいや」

「…うん」


C組に入った時は周りの人の目が私に向いてたけど今はみんな気にしていないようだ。

良かった。

屋上から出てテンションはいつものに戻した。
心配されたら嫌だしね。

と、思ってると千紗の前の席にいた人が話し掛けてきた。


「ねぇねぇ、俺も混ぜてもらっても良い?」


あれ?この人どっかで…


「あ、そうそう…ネクタイ大丈夫だった?」

クスッと笑いかけてくる彼。
…あっ思い出した!

今日の体育終わった後千紗を呼んでくれた人だ…!


「あ、はい大丈夫です…えっとー…」

「幸村精市、覚えておいてね平本さん」


ニコッと笑う幸村くん
…ん?何で私の名前知ってるんだろう。
まぁきっと千紗が教えたんだろうけど。


「ちょっと、あたしも混ぜてよ」


…軽く忘れてましたよ。
てか今日千紗のこと忘れるの多くないか?


「ふふっ、それはいいんだけど…ってあ、丸井に仁王!どうかしたのかい?」


おぉ、ここ窓側で廊下から遠いのに…よく叫ぶ気になるなぁー

…って!丸井くん?!
今は会いたくないよー…


「おう!ちょっとな」


ニカッと笑う丸井くん。

屋上のこと気にしてなくて良かった。


!?
千紗…!!?

「千紗…?に、睨んじゃだめだよ」

「綾乃、いいのよ」

「いやいや、よくないって」

「話し混み合ってるところ悪いがお前さん等も関係あるから聞いといてくれんかのぅ」


コショコショ話みたいに言い合ってた私達に話しかける…、確か…仁王くん、がいた。


「そうなの?」

幸村くんも知らないみたいだ。

ってかこの3人ってどんな関係が…?


「おう、じゃあ話すぜぃ。…単刀直入に言うぜ、お前等2人男子テニス部のマネージャーやらねぇか?」

「はっ?」

「え…」


言葉は違うけど見事にハモッた私達。


「嫌かの?」

「わ、たしは別に…どっちでも…」


「その前に俺の意見は?…まぁいいけど」


てか丸井くんも仁王くんも男子テニス部…?
それと幸村くんも…?
3人ともテニス部、何だよね。きっと。


「あたしは嫌よ」

「え…千紗やらないの?」

「うん」

「そっか…じゃあ私もやめよっかな」


千紗がいないなんて嫌だし。



「…仕方ないなぁ…ねぇ田中さん、平本さんがマネージャーやったら平本さんと一緒にいれる時間少なくなるよ?」


「綾乃もやめるって言ってるじゃない」

「…え?」


…なんだこの人の逆らっちゃいけないようなオーラは…。

しかも仁王くんと丸井くん震えてるし…。


「っ、わかったわよ」

「千紗やるのっ??」

「まぁ…」

「ほんと!?じゃあやめなくてすむのか〜、やった!」


やってみたかったんだよね、マネージャー。

人と関わるのは嫌だけど。


「じゃあ決定だね。放課後部室に来てもらうよ…と言っても分からないと思うし…仁王に丸井、平本さんを連れてきてね。俺は田中さんを連れて行くから」


わー…着々と決まってるー。


「おうっ、じゃあ俺たちは教室戻るわ…あ、あとこいつも」

と言い私を指差す丸井くん。


「え…っ」

「お前も同じクラスだろ?」

「うん…」


「じゃあ行くぞッ!それじゃあまた放課後なっ!」

「千紗!また放課後ね!」

「んじゃ俺もB組に戻るぜよ」


指差した手で私の腕を掴みそのままB組のクラスに連行…された。


「それじゃ俺は自分の席に戻るナリ」

私達の後ろを歩いていた仁王くんは自分の席に戻り机に突っ伏していた。


ちょっ…!今は丸井くんと2人にしないでっ!
クラスの人いるけどさぁっ!

てか休み時間いつまで続くの!?


「な、なぁ…平本…」

「なに…?」


やばーッ!!
急に話しかけられてビックリしたせいで冷たく言っちゃったっ!

あちゃー…丸井くんが俯いて来ちゃった…。


「ね、ねぇ、気にしなくて良いよ?さっきのこと…。私も急に怒鳴ったりしてごめんね?」


私悪いことしてないのに謝っちゃったよ。

謝り損か。


「お、おう。俺もさっきはホントごめんな。お前の気持ち考えないで自分の考え押しつけて」


あ、丸井くんの顔少し明るくなった。


「いいよいいよ。気にしないで。それより丸井くん達ってテニス部なんだね」


わざと話題をずらす。
…我ながら良い案だ。


「え?あー…そうだぜぃ!」


おぉ、テニス部の話をしだしたら丸井くん完全復活だ。


「へぇそうなんだ…強いの?」

「おう!なんたって全国2連覇してっからな!」

「すごいね」

「そうかー?」

「うんっ」


丸井くんの機嫌が元に戻って良かった。
てか扱いやすいな丸井くんって。
…初対面でここまで話せたの初めてだな。



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