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:)05 ワカメとガムと私と





あれから普通に授業を受け、休み時間には千紗のところに行って…を何回か繰り返して…

ついにきました!昼休み!!


チャイムがなるとすぐに千紗のところへ行く。


「千紗!お昼ご飯食べにいこっ?」


朝、お母さんが作ってくれたお弁当を指差しながら言った。


「今行くからちょっと待ってねー」


そう言うと千紗は鞄の中にあるお弁当を取り出し私の所までやってきた。


「場所はどうする?」


そういえば決めて無かったっけ…。

やっぱここは定番のとこだよね。


「屋上でしょ♪」

「言うと思った。じゃあ行こっか」


そして私達は屋上に向かって歩き出した。

…そういえば私屋上の場所知らない…。


「ねっねぇ、屋上の場所知ってるの?」

「知ってるよ?さっき行ったし」


…あれ?休み時間は私と一緒にいたのにいつ行ったん…


「あっ!サボったの!?」

「しっ!先生には内緒なんだから大声で言っちゃだめっ」


あ、そうだね、うん。


「ごめんごめん。じゃあ千紗は屋上の場所知ってるんだね」

「うん。ほら、ここ」


…いつの間にか着いていたのか…。


ガチャッ


千紗が扉を開け私から中に入る。

前にも似たような場面あったな…。

3歩ぐらい進むと空が見えた。


「うわぁー…綺麗ーっ」


青く澄んだ空に真っ白の雲。
こうゆう空大好き。


「今日は良い天気だもんね」

「うん、…あ、ご飯食べよ?」


どんどん前に歩いていく。
…空を見ながら。


「ちょっ…綾乃危ない…!」

「えっ…?」



ドンッ


何かにぶつかってしりもちをついた。

「いったぁー…」

ぶつかったところをさすりながら反射的に閉じた目を開ける。


すると…目の前にはモジャモジャ頭くんがいた。

「大丈夫ッスか?」


そう言いながら私の手を引っ張り起きあがらせてくれる。


「あ、はい。えっと…貴方も大丈夫ですか?前見てなかったんで…すいません」


空があまりにも綺麗だったからね、うん。


「大丈夫ッスよ」

そうか、うん。良かった。


「そうそう、こいつはこれぐらいで大丈夫じゃなくなるほど柔じゃねぇしな」


後ろからガムを膨らませながらモジャモジャ頭くんの言葉を肯定する丸井くん。

…どっから現れたんだ。


「そっか、それならよかった。…じゃあね」


これ以上関わりたくなかったからすぐにその場を立ち去った。


「ちょっ…待ってよ綾乃!」

…そういえば千紗もいたんだった…。


「ごめんごめん。それじゃ、あっちで食べよっか」


丸井くん達の反対側を指差しながら言う。

私が何を言いたいかわかったのか千紗は苦笑しながら言った。


「あはは、まぁ同意見だけどね」


屋上から少し離れた場所へ移動し各自お弁当を広げた。

他愛もない話しをしながら私達はお弁当を食べる。


「ふぅー…」

おかず争奪戦をしばししながらお弁当を食べきった。

屋上に寝っ転がり空を見る。
…綺麗すぎだよ、今日の空。


「あたし教室戻るけど…綾乃はどうする?」


しばらく空を眺めていると隣りに座っていた千紗が立ち上がる。

それに比例して私は寝ていた体を起こす。

今は授業受けたい気分じゃないしなー…。


「私はサボるよ」

「そっか…じゃあ、色々気をつけてね?」


そう言い残し屋上を出た千紗。

…考えてることすべてお見通しってことですか…。


千紗が屋上をでて約30秒後にチャイムがなった。
タイミング良すぎ。


そう思いながらまた寝っ転がる。

てか初サボりじゃーん。
氷帝でサボったり何かしたら授業ついていけなくなるよ絶対。


あー吹いてる風が心地良い。
…そういえば丸井くん達はいついなくなったんだろ?


気づかなかったなー…。


それにしても空が綺麗だ。
何か泣きたくなる。

虚しい?のかな…。


こうゆうときはいつもアレに手を出す。


――リストカット――


いけないことだって頭では分かってる。

けど習慣づいたものはそう簡単に直せない。


直す、の漢字って"治す"か…一応病気だし。


いつも使っているカッターはポケットの中。

ついでに言うならばポケティもある。


…準備万端。


色々頭の中で確認して起きあがる。


久々にやるなぁ…2週間ぶりか…。

そんなことを思いながらポケットからカッターを取り出す。


今は授業中だけど念のために誰もいないか周りを見る。

…よし、いない。


…カチカチカチ…

カッターの刃が3分の1ぐらいでたところで止める。


そして腕にあて、自分の方へひく。


…スーッ…


切った場所から血が出てくる。



「あー…、スッキリ…」


すぐに止血しないのは私の癖。

しばらく自分から流れる血を眺める。



それがいけなかったのか…

屋上に人が入ってきた。


キィィイイイ



「ふぁあ…授業つまんねぇー…」


やばい…っ!!

すぐにポケットからティッシュをだすがその瞬間血が床に垂れる。


「あ…っ」


…やっちゃった。
声だしたら絶対気づくのに…ッ!


「誰かいるのか…っておいっ!何してんだよぃ!!」

ほら、案の定私に気づく。


屋上の入り口の方からは死角だったと思ったんだけどな…。


「…って平本!?」


名前を呼ばれてふと我に返る。

目の前にいたのは、丸井くんだった。



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