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ツナスパ






汚れさえの証








スパナは今日も大好きな機械を朝から弄っていた。
しかしそこへ誰かが尋ねて来た。


「ス〜パ〜ナ!」
「ボンゴレ…また来たの?」


ボンゴレと呼ばれたのは、ボンゴレファミリーのボス、沢田綱吉だった。
綱吉はスパナをボンゴレの技術者として引き抜いてから、仕事の合間に会いに来ているのだ。
スパナは始めの頃だけだろうと思っていたが、その考えは甘かった。
綱吉は、毎日、会いに来るのだ。
今日も例外なく会いに来た。


「ボンゴレも毎日飽きないね。こんなところ来て」
「飽きるわけないじゃん。スパナに会えるんだから!それとスパナ!」
「何?」
「毎日言ってるけど、綱吉って呼んでよ」
「で、も……」
「二人っきりなんだし…ね?」


綱吉はスパナの手を握り、微笑みかけた。
勿論、スパナがこの笑顔に弱いことを知って。
案の定スパナは最初、戸惑ったものの、最後には顔を真っ赤にしながらも「綱吉…」と呼んでいた。
その姿はとても可愛く、綱吉は堪らずスパナを抱きしめた。


「スパナ、可愛いー!」
「う、わっ!つ、綱吉、離して!ふ、服が汚れる…!」


スパナがそう言うも、綱吉の抱きしめる力は変わらなかった。
寧ろさっきより強くなっている気がした。
これではせっかく着ている綱吉の白のスーツが汚れてしまう。
何故ならスパナが着ているのは、つなぎであり、先程まで機械を弄っていた為、汚れているからだ。


「つ、綱吉、ホントに離し」
「スパナ」


スパナがもう一度綱吉に声をかけたが、それは綱吉の鋭い声で遮られてしまった。
スパナは怒ったのかと思い綱吉を見たが、予想に反し、綱吉は笑顔だった。
しかも頭まで撫でられた。
綱吉の行動がよくわからず、スパナは頭に?を浮かべていた。


「つな、よし…?」
「スパナは優しいね」
「えっ?」
「でもね、服なんか気にしなくていいんだよ?」
「で、でも…!」



スパナが反論しようとしたが、綱吉の細い人差し指が唇に当たり、制止させられた。


「だって俺の服に付いたこの汚れはスパナと俺が抱きしめあった証拠でしょ?皆にいつも自慢してるんだよ?」
「―――っ!」


スパナはこれを聞いた瞬間、顔をこれ以上ないというくらい真っ赤に染め上げた。
綱吉はそれを微笑みながら見つつ、またスパナを自分の腕の中に収めた。
そして今度は耳元で、囁いた。
低い声で、甘い言葉を。


「スパナ、好きだよ。愛してる」


もうスパナは暴れなかった。
今は綱吉の胸に顔を埋めて、赤面したのを隠している。
綱吉は微笑みを深くし、また抱きしめている力を強くした。
腕の中にいる愛しき存在を離さない為に―――





愛しい君の汚れなら、いつだって、どこだって、付いても幸せさ!




Fin





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またもやマイナーすぎるツナスパ!
二人は恋人同士です。
スパナ受けが広まればいい!
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