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相互御礼-翠雨飛龍様へ(Kサト)







幸せ、








街を照らしていた太陽は当の昔に沈み、今は月が街を照らしている。
その周りには無数の星達もいる。
大分遅い時間だ。
そんな中、サトウは今まで残業をしていたのか、街頭が照らす道を歩いて、自分の住むアパートに帰っていた。


「今日は遅くなっちゃった…ししゃも心配してるかなぁ…」


ししゃもとはサトウが飼っている猫のことである。
ししゃもはサトウのことが大好きであり、サトウもししゃものことが大好きだ。
しかし一人と一匹の“好き”には違いがあるのだが、それはまた別のお話。
とにかく、今はししゃもの為にも早く帰ろうと、サトウは歩調を速めた。
しかしアパートが見えてきたら、サトウの足はピタリ、と止まってしまった。
なぜなら――


「えっ…なんで電気が…?」


サトウの部屋の電気が点いていたからだ。
家を出る時は必ず電気を消す為、帰る時は真っ暗だ。
それなのに今は、点いている。


―――まさか…!


泥棒。
サトウの頭にその言葉が浮かんだ。
その瞬間、止まっていた足を急いで動かし、走って部屋で向かった。
いつもはゆっくり登る階段も、大きな音を立てて一気に駆け上がった。
しかしドアを開いた瞬間、サトウの予想は外れていることがわかった。
なぜなら玄関に見覚えのある靴と、中から聞き覚えのある声がするのだ。
サトウは勢いよく中へ入っていった。


「KKさん!」


愛しい人の名前を呼びながら。


「お、サトウ!お帰り!」
「にゃー!」


勿論そこにいたのは、今、名前をよんだMr.KK。
そして嬉しそうにサトウの胸に飛び込んできた、ししゃも。
サトウは泥棒ではなかった安心と、KKに会えた嬉しさから、その場に座り込んでしまった。
これには流石のKKも驚き、慌てて駆け寄った。


「サトウ、大丈夫か!?」
「は、はい…大丈夫です」


KKはサトウを支えながら立たせた。
ししゃもは座り込んでしまった時に床に降ろされてしまったらしく、その場面をじっと見ていた。


「それにしてもいきなり座り込むなんてどうしたんだ?」
「えっ…!?そ、それは……」


KKが座り込んだ理由を聞くと、サトウの顔がみるみる赤くなっていった。
まさかKKに会えたのが嬉しくて座り込んでしまったとは恥ずかしくて言えない。
しかし他に良い理由などなく、そのうえサトウは嘘がつけない性格だ。
覚悟を決めて、正直に言うことにした。


「け、KKさんが……」
「俺が?」
「いて、くれたから…」
「えっ!?」
「嬉しくて…ずっと、会いたかった、から……」


サトウは途中から恥ずかしさに堪えれなくなったのか、KKの胸に真っ赤な顔を埋めて、つなぎを握りしめていた。
一方のKKもサトウの爆弾発言に、嬉しさのあまり脳がついてこれていなかったが、理解した瞬間、目の前のサトウを思い切り抱きしめていた。


「やばい…サトウ可愛すぎ。おじさんの心臓持たないから」
「KK、さん……」


KKは胸に埋まっていたサトウの顔を両手で上を向かせ、見つめた。
男にしては大きな瞳と白い肌。
それに映える、真っ赤に熟れたような唇と頬。
どれも愛しくて堪らない。


「俺もサトウに会えなくて寂しかった…会えて嬉しい…」


そう言い、KKは堪らずサトウの額に口付けを贈った。
チュッ、と可愛らしい音がして、唇は離れた。
そしてサトウの顔を見ると、綺麗な笑みが浮かべられていた。


「サトウ、大好き」
「僕もです…」


そのまま二人は口付けを交わそうとした。
しかし――


「にゃああ!!」
「い゛ってぇえ!!」
「し、ししゃも!?」


ししゃもが耐え切れず、KKの頭に噛みついてきたのだった。
二人の恋路には、まだ立ち塞がる壁があるようだ。





愛しい貴方に会えたのは、幸せが巡ってきたから!






Fin






****************
すみません(土下座←
やっぱり私にほのぼのは書けませんでした。
これで精一杯です←
こんなのでよければ貰ってやって下さい…!
相互ありがとうございました!







あきゅろす。
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