どうか見捨てて、先に行って
※シリアスではありません(笑)
「ヤるならやれよ。もうやっちまいたいんだろ?俺はもう無理だ。こんな生殺し状態ならいっそ…!」
ユーリは机に突っ伏したまま、か細い声を発した。
その体は僅かに震えており、手に握られていたモノがころりと転がる。
弱弱しい声であったが、喧騒からかけ離れた部屋で、しかも二人きりの今の状態では机を挟んで座していた男の耳にもはっきりと聞こえた。様子を眺めていた男は暫くショックのあまりに固まっていたが、数秒後には、勢いよく立ち上がった。その表情は切なげなで今にも泣き出しそうだ。立ち上がる際に勢い余って座っていた椅子が倒れる。
「そんな悲しいこと言わないでよ青年…!!まだ大丈夫よ!おっさん我慢出きるから!待ってるから!諦めないで…!」
ガシッと、うつ伏せているユーリの肩を掴み、顔を上げさせる。そこにあったのは何時もの自信家で男前な彼ではなく、なんとも庇護欲を掻き立てられるようか儚げな様子の青年であった。
青年は、ふっと息を吐き出し諦念の笑みを浮かべる。
「いや、もう俺は無理だ頼む、おっさん。みんなを連れて見捨てくれ…!!」
「青年……!!嫌よ青年!おっさん、青年を見捨ててなんて行けないわ!」
ぎゅっ、と青年を抱きしめ、嫌よ〜!と半泣きのような声で叫びながら男は横に首をふった。
首をふる毎に髭が当たって痛ぇな・・・とユーリは思ったが、今回ばかりは無下に扱うことも出来ず、大人しく我慢する。
男の肩に手を当て、ぴったりとくっついていた体を少し離し、情けなく眉を下げた男の顔を正面から見つめた。
「俺には強すぎる敵だったんだ。大丈夫、ちゃんと後から追いかけるからよ」
「ユーリ・・・」
男の方に当てた手を男の手がさらに上から重ねる。ユーリは勤めて明るく、そして遠い目をして呟いた。
「仕方ねぇよ、人間得て不得手があるだろ?そもそも俺に・・・12000字も文章がかけるはずがなかったんだよ」
「ゆ、ゆーりぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!」
半泣きだった男が遂に泣き崩れた瞬間だった。
「そもそも、本読むのだって苦手なのにさらに感想と考察とその他もろもろ書き出せって不可能だろ」
「いやいや、これやらなきゃ青年単位落とすのよ?落第よ?」
「いいって、これ選択授業だし。落ちても問題ねぇよ」
「嫌よぉぉおお!この授業取れなきゃ、お前さん、来年度以降のおっさんの授業取れないのよ!?せっかく、せっかく来年もユーリくんと一緒の授業できると思ったのにぃぃいいい!!ねぇねぇ、頑張ろうよー!あと2000字でしょ!?大丈夫よお前さんやれば出来る子よおっさん知ってるもん!!やーろーおーよおおおおおお!」
「わーった!わーったから離れろ!おっさん!!」
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朝起きて思いついた突発的な学パロネタです。
教師おっさんとおっさんが出したレポート課題に奮闘する(諦め気味)な青年。
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