Eine Stelle, um dadurch zurückzukommen
※子ユリとおっさん。現パロ?
「ユーリ」
「………」
サーサーと雨が降る。
その雨を恨めしそうに見つめる少年は軒先から一向に動こうとしない。
声を掛けても振り返りもせず、ただ視界を遮る雨粒を鬱陶しげに睨みつけている。
「お家入ろう?」
レイヴンは再度声を掛け、少年の手を握る。すると、今度は短い黒髪をさらりと揺らしてユーリが振り返った。
「ここは家じゃない……!!」
キッと小さな紫紺の瞳がまっすぐに見上げてくる。
震える体とは裏腹に、その瞳だけはまっすぐだ。
不安も、孤独もすべて呑み込んで発した言葉。
きっと聡いこの子は気づいてしまったのだろう。
もう彼の家族はこの小さな子供を迎えには来ない。
レイヴンは子供をひょいと抱き上げると、そのまま施設内へと足を向けた。
「離せばかっ…!俺は…!」
まだ待ってる。
そう言いたかったのであろう言葉をレイヴンは意図的に遮った。
「うーん、でもねぇ、おっさんもう寒くなっちゃったし、あっちで温まりたいなー。あ、そういや暖房調子悪いんだっけ?ユーリくんおっさんの湯たんぽになんない?」
「一人で戻れ」
抱き上げたことで同じ高さになった視線をかち合わせ、にっこりと笑ったレイヴンに対し、ユーリは冷たい眼差しを返した。
「も〜、あんまりおっさんに冷たくする悪い子はお仕置きよ!」
「ちょ、やめろ!イタイタイタタ!」うりゃー、と無精髭をふにふにとした頬に摺り寄せると、鬱陶しそうに嫌がる。腕を突っぱね、むすっとした表情を見せる少年には、もう不安気な雰囲気はなかった。
大して暖かくもならない暖房機の前に、タオルケットを被り二人で身を寄せ合う。
小さな隣りのぬくもりに
大きな隣りの存在に
冷えたからだが温まった。
ただ一刻凌ぎであったとしても、その温かみは偽りじゃない。
***
どこぞ施設に置き去りにされた子ユリとスタッフのおっさん。
タイトル翻訳間違ってたらすみません。
氷月はドイツ語習ってないのです←
興味はあるんだけどなー・・・
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