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ハグ・アンド・ピース


もふもふ。

「おーい」

もふもふもふ。

「レッドくーん」

もふもふ、も…。

「なに、グリーン」
「なにはこっちの台詞だ。なんだその顔は」
「…イーブイ。返して」

ぱっと見は、普段の無表情だけれども、よくよく見ると、むぅ、と、眉を微かに寄せるレッドは、彼の親しい人になら、あぁ、今れっどは 拗ねているんだな、というのがよくわかった。
たとえば、グリーンとか。

けれども、グリーンだって、負けてはいない。
どうして、この寒いなか、吹雪が永遠と止まないなか、会いに来たのに、この扱いなのだろうか!

「レッドは、俺に何か言うことがあるんじゃないかな?ん?」
「……イーブイ、返して」
「よーしわかった、レッドにはもうココアもホットミルクもやんねーからな。コーヒーだけだ、しかも苦いブラック!」
「…!おに…!!」
「鬼はどっちだ!」

ぎゃあぎゃあと、甘さのかけらもなく騒ぐ、彼ら。
ぱちりと暖かな音を鳴らす薪の傍で、そんな自分たちの主を見るイーブイと、そしてピカチュウは、やれやれとため息をついた。


ハグ・アンド・ピース
(そういうのって、抱きしめ会いながら言うものじゃありませんよ)



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あきゅろす。
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