フィフティ・フィフティ
かちりと、ポケモン図鑑のスイッチをいれる。
そこに映されるのは、今までに集めてきた、数々の、ポケモンたちのデータ。
「…グリーンの方が、ゲットした数、多いんだな」
「なんだその顔は」
「べっつにー」
元々、競い合う仲だった彼ら。
そして、負けず嫌いなレッド。
どこか拗ねたような顔にも、グリーンは、すぐに納得をし、小さく、喉の奥で笑った。
「あ!今、笑っただろ!」
「…お前の勘違いじゃないか?」
「ぜーったい笑った!でも、グリーンだってブルーやクリスに比べればまだまだなんだからな!」
笑われたことを気にしているのだろう、どこか赤いレッドの頬を、グリーンはそっと撫でる。
そうすると、もっと、赤くなることを、知っているからだ。
「……卑怯だ」
「なんのことだ?」
「わかってるくせに」
ぽつりと落とされた言葉に、グリーンは、もう一度笑い、またレッドが反論してくる前に、その唇を塞いだ。
フィフティ・フィフティ
たしかに、卑怯かもしれない
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