騎士皇子逆転 海に囲まれた、小さな、でも技術の発達した国、ニッポン。 各国によって違いはあれど、このニッポン、も、多くの国のように王族制度、を、起用していた。 そして今日も、その、ニッポンの青空に、剣の音が、鳴る。 キイィン、と、高く鈍い音が響く。 続いて、どさっと、地面に叩きつけられた音も。 目の前には、悔しそうに寄せられた眉。小さな声で呻いた彼は、おそらく痛みに堪えているのだろう。 当たり前だ。最後に思いきり突き飛ばしたのだから。 「ほら、僕よりも弱い。なのに前線にでたいだなんて、いつから君はそんなこともわからなくなってしまったの?」 「ですが!自分は殿下の騎士です!なら、戦にでるのは当然なことのはず!」 「こんなに弱い騎士、だなんて、笑い話にもならないよ」 「…っ」 そう冷たく言い放てば、自分の騎士は、その美しい菫の瞳を、悲しげに、伏せた。 そんな顔を、させたいわけじゃない。 そもそも、彼は、文官だったのであり、実際に戦うのではなく、司令官として初めて実力を発揮できる種の人間なのだ。 それを、無理を言って自分のモノにしたのだ。 だからこそ。 「命令だよ、ルルーシュ。君は、我が国の戦況が、どんなに悪くなったとしても、この宮にいるんだ」 戦いごときに、奪われて、たまるか。 [*前へ][次へ#] |