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〜闇夜物語〜
メキシコの女王の宝物;7



それはそれは

ビックリした漁夫たちは
ものも言えずに

櫓(ろ)拍子も乱れがち
になり必死に港めざして
船を漕いだものです。


一方、船の胴の間では
老船頭を中心に老漁夫たち

ほかの漁夫たちが
この思いがけない出来事
をどうするのかの相談を
はじめていたそうな。



その中の1人の漁夫が
こう言います。

「こりゃー 異国人の柩
に違わんばい!」

「ともかく宝物はまだまだ
ようきぃ(沢山)
入っちよるに違わん」


「宝物だけ取り出して
柩はそのまま流して
しまおうかの?…」


この意見に賛成する
漁夫たちも二・三あります

が、これと反対に
爺の漁夫はこう言います。

「ほじゃけんど(だけど)
こりゃーでいじな
(大事な)こっちゃ。

そげん欲ばったこつ
すっと…あとあとの
祟りが恐ろしいか!」


「このまま海に流して
しまうのが一番ええと
思うがの!」



年寄りたちは皆これに
賛成しています。


相談はなかなかまとまり
そうにありませんでした。

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あきゅろす。
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