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〜闇夜物語〜
狂骨,弍

たまたま隣人が
その様子を戸の
すきまから垣間見た。


そこから恐ろしい
噂が広まって

とうとう、女の家の
周囲には誰も
いなくなってしまった。


その噂を耳にした夫は
妻の死骸に起こった
怪異は…

捨てられた怨みが
つのって生まれた、


怨霊のなせるものに
ちがいないと考えた。


自分は、きっと妻の
霊に取り殺される……。



夫は、もはや生きた
心地がせず
ある高名な陰陽師の
もとに駆け込んだ。


震えおののく
男から詳しい事情を
聞き出した陰陽師は


こう口を切った。


「この悪霊から
のがれるのは
きわめてむずかしい。」


「だが、のがれる方法が
ないでもない。」

「ただし、その為には
身の毛もよだつ思いに
耐えなければならない。」

「その覚悟をして
いただけますかな?」

男は、怨霊に取り殺される
以上に恐ろしいことが
あるのだろうかと

おそるおそる
頭をうなずかせた。


陰陽師は、男を女の
死骸が置かれた家に
連れていった。


噂のとうり、白骨化した
変わり果てた妻の遺体は



首も手足も胴に
つながったままで


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