∞陰陽道探究∞
十二天将(十二神将）式神
十二天将
(じゅうにてんしょう）
とは安倍晴明をはじめと
する、陰陽師にとって
[六壬神課]で使用する
象徴体系の一つであります
北極星を中心とする星や
北斗七星や星座に起源を
もっており、それぞれが
陰陽五行にあてはまる。
十二天将は十二神将とも
呼ばれることもあるが
仏教の十二天･十二神将
とは別物でありますが
(もっとも書物により
大小の差はありまするが
六壬神課などいくつかの
古典にいたるまで知られ
ている）のです。
だから間違いというより
は呼称は誤りではなくて
さまざまな呼称の一つ
なのである。
陰陽道を操る陰陽師の中
でも歴史的に別格として
存在するのが、安倍晴明
なのです。
その晴明が用いた陰陽道
の奥義の一つが六壬神課
（ﾘｸｼﾞﾝｼﾝｶ）です
六壬神課は人間が持って
生まれた宿命を示します。
また人生のあらゆる場面
における運命の変動を
的確に告知する学問です。
六壬神課は中国の伝説上
の皇帝である黄帝が、
九天玄女(きゅうてん
げんじょ）という仙神
から授けられたものだと
「黄帝龍首経」という書
に書かれてます。
後に三国志で有名な
諸葛孔明が、敵を滅ぼす
ために馬上で式盤
（ﾁｮｸﾊﾞﾝ）を用いて
占なったとされています
この式盤(ﾁｮｸﾊﾞﾝ）
こそが、六壬神課に
とって重要なアイテムに
なります。
晴明は六壬神課の天才的
な使い手で、式盤を
用いて自在に占断を
下したことは
有名な歴史的事実であり
とくに晴明の代表作と
して「占事略決」という
六壬神課の奥義書が
残されてますが
中に「常に月将を以て
占時に加え、日辰陰陽を
視ん」と書かれています。
さらに安倍晴明は
この六壬式盤を使って
鬼神を自在に操り不思議
を現しました。
その鬼神とは、式盤上で
使う十二天将のことです
すなわち十二天将とは
(貴人、騰蛇、朱雀
六合、勾陳、青竜、天空
白虎、大裳、玄武、太陰
天后）があります。
これらを式神として諸事
を占い、さまざまな奇跡
を現したとされます。
〝式神〟
式神･識神
(しきがみ/しきじん）
とは陰陽師が使役する
鬼神または精霊のことで
人心から起こる悪行や
善行を見定める役目を
務めるもの、式の神とも
いう。
文献によっては式鬼
(しき）とも記述がある。
〝式〟とは「用いる」の
意味合いであり、つまり
は使役することをあらわす
安倍晴明が残した
占事略決の第4章の
十二将所主法、第四では
十二天将が表す事柄に
ついて以下のように
解説されています。
【十二天将】
五行･陰陽。十干十二支
吉凶。季節･方角。備考
象徴。
……………………………
前一、騰蛇（とうだ）
火神、巳、主驚恐怖畏、
凶将、丁、陰、夏、南東
炎に包まれ羽の生えた蛇
の姿。
色、紅赤、文化の神
驚きの神、怪異、病神
、蛇。
……………………………
前二、朱雀（すざく）
火神、午、主口舌懸官、
凶将、丙、夏、南。
招風神、光輝、火炎、
火の災い、色、赤黒。
……………………………
前三、六合（りくごう）
木神、卯、主陰私和、
吉将、乙、陰、春、東
平和や調和を司るとされる
喜慶の神、色、光彩の
ある色
……………………………
前四、勾陳（こうちん）
勾陣(こうちん）土神
辰、主戦闘諍訟、凶将
戊、陽、土用、南東。
争闘の神、軍兵、色
青黒、
黄竜(こうりゅう）の
別名が勾陣(こうちん）
……………………………
前五、青竜(せいりゅう]
木神、寅、主銭財慶賀
吉将、甲、陽、春、北東
雨神、富裕、色、黄赤
……………………………
天一、貴人(きじん）
上神、丑、主福徳之神
吉将、己、陰、土用、
北東。十二天将の主将で
天乙貴人、天一神、
天乙（てんおつ）とも
君子、財の喜慶、色、黄
……………………………
後一、天后（てんこう）
水神、亥/子、主後宮婦女
吉将、癸、陰、冬、
北西。
航海の安全を司る女神
色、純白。
……………………………
後二、大陰（たいいん）
金神、酉、主弊匿隠蔵
吉将、辛、陰、秋、西
少女の姿を好んでとる女神
霜雪、氷凍、巫女、色
黄白
……………………………
後三、玄武（げんぶ）
水神、子/亥、主亡遺盗賊
凶将、壬、陽、冬、北
色、黒。
……………………………
後四、大裳（たいもう）
土神、未、主冠帯衣服
吉将、己、陰、土用、
南西。
四時の女神ともいわれ
天帝に仕える文官。
太常(たいじょう）とも
平和、耐久、色、黄
……………………………
後五、白虎（びゃっこ）
金神、申、主疾病喪、庚
陽、秋、南西、凶将
祟鬼、冷酷、快速、即断
色、白
……………………………
後六、天空（てんくう）
土神、戌、主欺殆不信
凶将、戊、陽、土用、
北西。
霧や黄砂を呼ぶとされる
奏書の神、好詐の神
虚空、晴神。色、灰色。
十二月将とは太陽が横道
上の、どの位置にあるの
かの指標で、西洋占星術
のサインと１対１の対応
がある、六壬神課で
使用する十二天将は、
この十二月将をベースに
作成されたと考えられる
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