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∞陰陽道探究∞
撫で物/なでもの

媒介を必要とする陰陽道
のリアリティー

平安京には木のヒトカタ
(人形)を使った呪咀が
横行してました。

撫で物も形代人形
(かたしろにんぎょう)
つまり紙の人形を
使いますが、こちらは
もっぱらディフェンスの
ための呪術です

つまりは防御のための術
です。

紙人形で五体や患部を
なでて、それを川に流す
か燃やすかして、邪気
怨霊霊鬼、悪病の気を
祓い捨てるのです。


そのさい、陰陽師は
病人の名前や
生年月日、年齢や呪文
を人形に書き入れてから
それに、その人の
三回息を吐きかけさせる。
そうして体にとりついた
マイナスの気をすべて
人形に移すのであります。


これは呪咀においては
ヒトカタに呪いの気
または「魂を閉じ込め」
をしたり吹きかけるのと
同じ原理になります。


つまりヒトカタも紙人形
も人の霊魂を移入する
憑代(依り代/よりしろ)
の役割を果たしている
わけです。

憑代(よりしろ)とは
本来、神霊が宿る岩石や
樹木をあらわす言葉で
あるが、日本人は上古
から神の霊は特別なモノ
に宿るものと考えていた。
木、岩、珠、剣、鏡が
神体とされてきたのは…

この憑代の信仰に基づい
ています。

つまり形代人形や神体は
神や悪霊などがすむ霊界
と人界をつなぐ
メディア(媒体)であると
考えていいでしょう。

テレビがないと放送局が
発信する電波を受像でき
ないように、形代人形や
神体がないと霊魂や神霊
がいる霊界に伝達をされ
ないのです。

つまりは、人の霊魂も
何かのモノを媒介に
しないと霊界からの行き
帰りができないと考えた
のです。

精霊(しょうろう)流し
を思い浮かべても、お盆
の15日の夕方に
さまざまな供物や人形を
のせた小さな舟が川に
流される。

これはご先祖さまの霊に
霊界に帰っていただく
ための儀式である。

ひな祭りが終わった後の
流し雛(びな)も
一種の悪霊退散の儀式と
いえる。

ひな人形は、女の子に
とりつく災厄を移す憑代
でありますから。
よって…三月三日の節句
が終わった時点で
ひな人形は、汚れきった
フィルターのように災厄
の毒素にまみれていると
考えなければならない。

これを放っておくと
ひな人形は、ためこんだ
災厄をまき散らす悪霊に
変貌する恐れがあるのです

だから節句が終わると
同時に、川に流すか
押し入れに収納するしか
ないのです。
形代人形の撫で物の法の
やり方の一例としては

この場合は貴方が修法者
です。
@まず、人のかたちを
かたどった形代人形
(ひとがた)という
紙人形を用意して

表には
「邪気退散・神霊鎮護
無病長久」と記す。

それから相手に氏名や
年齢を書いてもらいます。
(インクは水性ペンが
いいでしょう。)

Aこの撫で物の法を行う
人はつまり修法者は息を
止めておかなければ
ならない。

そうしなければ邪気を
自分が受けてしまうこと
があるからです。


その紙人形で相手の身体
の左右中央を撫でて
その方に息を三回吹き
かけていただき

日頃犯してしまった
咎(とが/罪)や穢れ
(病気や怪我も含まれます)
を紙に移します。


Bそのあとに
その形代人形の紙を9つ
に折り(9回折り込む)
さらに上紙で包みます。

同じ理由から紙を9つに
折る間も息を止めておく
息をするなら鼻で息を
吸い込む。


C形代を包んだ上紙に
「鬼」の字を書いて
それを左足で踏みつける。
次に「封(または賦の字)」の字を書いて同じよう
に右足で踏みつける。

(本来的には形代を
お祓いをしますが)

Dこうして人形に
穢れを移し完成すること
になります

形代人形はお焚き上げし
(燃やす)
海か川に流しに行きます。
流したあとは振り返らず
に帰るものだといわれます


神道ではお祓いし
お焚き上げして川や海に
流す(流却神事)といいます

罪や穢れは消滅させる、
海の彼方へ流してしまおう
という考えからです。





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