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∞陰陽道探究∞
魔界と陰陽師の霊戦[7]
モノノケである以上
ナマナリは陰陽師の
守備範囲となる。

安倍晴明も
ナマナリ調伏(退治)に
一役買っている。

ある武士が、やけに夢見
が悪いのを気にして
安倍晴明に相談すると


晴明は、武士に迫る
危機を見通す。


武士の妻が、夫に情婦が
できたことへの嫉妬に
狂って生霊「ナマナリ」
と化して、

いまにも夫を
取り殺そうとしていた。


「あなたは、怨みに
燃えた妻の手にかかって

今夜のうちにも命を
落とすかもしれない。

これから生成り退散の
祈祷を行じて
さしあげよう。…」


晴明は、そういって
武士に、身と心を
清めて家に引きこもる
物忌(ものい)みを
勧めるのである。


はたして、生霊
(ナマナリ)と化した
妻が武士の屋形(やかた)
に押し入ると

すかさず、晴明の魂を
こめた祈祷が威力を
発揮する。


一ヶ月間、日替わりで
国を守る三十番神
(さんじゅうばんしん)
が…

「妄霊鬼神は
けがらわしや

いでよいでよ」
と攻め立てて

妻の生霊を
退散させるのだ。


この伝承では
ようするに生霊が
変化したモノノケ

相手には人の道理は
いっさい通用しないと
いうことである。



この三十番神について
述べよう。


一口にいえば
一ヶ月30日の間
(陰暦は月齢で月を
割るため

一ヶ月を大の月三十日
小の月は二十九日と
している)

毎日番がわりに、
国家、人民などを
守護するといわれている
三十柱の善神のことを

三十番神という。

さて、この三十番神の
種類は多く、
10種類に及ぶ。

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あきゅろす。
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