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神の名鑑
愛染明王



この明王はサンスクリット語で[ラーガラージャ]といいます。

[ラーガ]とは赤や愛情や情欲を意味し[ラージャ]とは王であるところから愛染明王という名がついたとされます。
もともと愛を表現した神であるため、その身色は真紅であり後背に日輪を背負って表現されます。


手に弓と矢を携えているのは、これで相手の心を射落とすのでしょうか?

愛情を表す真っ赤な円形光背を持つ大日如来から分立した金剛薩(た)と同体と考えられ、それから派出した金剛王や金剛愛菩薩の化身とも言われます。

また、大日如来を中心に不動明王と三尊仏をなす。

■原名:ラーガラージャ
■特質:欲望の浄化
縁結び、恋愛、災害除去
■続柄
大日如来の教令輪身

『愛染明王真言』
おん まからぎゃ ばぞろ
しゅにしゃ ばざら
さとば じゃく うん ばんこく。

(帰命したてまつる
大愛染尊よ、金剛仏頂尊よ、金剛薩よ、衆生を四種
に四摂したまえ!)

*四摂真言(四字真言)
じゃく、うん、ばん、こく
*ばざろは→「金剛を…」いわゆる目的格です。

*四摂法(ししょうぽう)
布施、愛語、利行、同事
の4つ羂(網)を張り、
索(釣り糸)で救いとる


衆生(人びと)が仏法を信じない原因の一つに「煩悩・愛欲により浮世のかりそめの楽に心惹かれている」

ことがあるが、愛染明王は
「煩悩と愛欲は人間の本能でありこれを断ずることは出来ない、むしろこの本能そのものを向上心に変換して仏道を歩ませる」とする功徳を持っている。

愛染明王は一面六臂で他の明王と同じく忿怒相であり
頭にはどのような苦難にも挫折しない強さを象徴する獅子の冠をかぶり、叡知を収めた宝瓶の上に咲いた蓮の華の上に結跏趺坐で座るという

大変特徴ある姿をしている。
もともと密教における蓮華部の敬愛を表現した仏であるためその身色は真紅であり、後背に日輪を背負って表現されることが多いです。


愛染明王信仰はその名が示すとおり「恋愛・縁結び・家庭円満」などをつかさどる仏として古くから行われております。

また「愛染=藍染」と解釈し、染物・織物職人の守護神としても信仰されている。

さらに愛欲を否定しないことから、古くは遊女、現在では水商売の女性の信仰対象にもなっている。



軍神としての愛染明王への信仰から直江兼続は兜に愛の文字をあしらったとも考えられている。

『真言』
ウン タキ ウン ジャク
愛染明王(あいぜんみょうおう)の起源は、その梵名「ラーガ・ラージャ」を直訳すると「旋律の王」となる。

ここでいう「旋律」とはインド伝統の音楽の概念であって、西洋音楽とは異なり

密教に伝わる声明(しょうみょう)と同じルーツを持つ。

密教の四種法である「敬愛法」は俗に鈎索鎖鈴(こうさくされい)と言われるように、対象に対して音楽を聞かせてよい気持ちにさせて引き寄せるところから


インド音楽の「旋律」に譬えてこの名がある。

愛染明王の経典が漢訳された当時の中国ではインド音楽に対する認知度は低く、

「ラーガ」の語には他に赤色や愛欲等の意味もあるため、「旋律」への愛縛(あいばく)を愛染に換えて「愛染(明)王」という訳語を用いたとも考えられる




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