神の名鑑
降三世明王
降三世夜叉明王とも呼ばれる。
※[勝三世明王]は古代インド神話に登場する。
降三世夜叉明王と勝三世明王はシュンバとニシュンバという阿修羅の兄弟であり密教に包括された仏です。
サンスクリット語では
『トライローキャヴィジャヤ（三界の勝利者）』と言われます。
正確には「三千世界の支配者シヴァを倒した勝利者」の意味です。
そのまま孫婆明王とも後期密教の十忿怒尊ではシュンバ･ラージャとも呼ばれます。
ちなみに勝三世明王は降三世とは起源を同じくするものの「一面二臂タイプのトライローキャヴィジャヤ」としてインドで出土しています。
ヴァｼﾞｭラ･フーンカーラ菩薩とも言われます。
降三世明王は三面八臂の姿をしており眼は三眼で、二本の手で印象的な（降三世印）を結び、残りの手は
弓矢や三叉戟や剣などの武器を構える勇壮な姿であるが何より両足で地に倒れたシヴァと妻のウマを踏みつけているのが最大の特徴です。
誰かを踏みつけた仏と言えば四天王がそれぞれ邪鬼を踏みつけてはいるが、降三世明王は「異教とは言え神を倒して」踏みつけている点でひときわ異彩を放つ仏です。
過去、現在、未来の苦悩を断ち切る力があります。
ヴァｼﾞｭラとは金剛または金剛杵（古代インドの武器）の事、ラージャは王の意味です。
■真言は
『オン･ソンバ･ニソンバ･ウン･バザラ･ウン･バッタ』です。
□続柄、五智如来のうち
阿ｼｭｸ如来の化身。
□特質、苦悩を除く。
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