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--気の探究注釈抄--
◯病気が起こるメカニズム


病気はどうして起こるのか東洋医学ではこう考える

◆病気が起きる4つのメカニズム

東洋医学では、人体の基本的な構成要素である「気・血・津液」に何らかのトラブルがあったときに病気が起こると考えます。

ですから、どんな病気でも元をたどれば「気・血・津液」の異常に行きつくのです。
この異常が起こす病気のメカニズムは、次の4つに大別されます。

■気血失調
血は気から作られ、その血は気に変化することもあるように、気血は車の両輪のように密接に連動しながら人体の生理を支えています。「気血失調」とは、どちらか一方の乱れがもう一方に深刻な影響を与えて病気が起きることをいいます。


■邪正盛衰
邪とは病気を引き起こそうとする「病邪」、正は病邪から体を守る「正気」のことで、病邪の力が正気を上回って病気になってしまうのが「邪正盛衰」です。たとえば、ウイルスを病邪、体の抵抗力を正気と考えればいいでしょう。
ただ、結果的に邪が正を打ち負かして発症するといっても、その過程は病邪・正気自体の強さによる2つのパターンに分けられます。

この2つが、東洋医学の診断で重要な「実証か虚証か」という見きわめに直結します。

■陰陽失調
陰陽論に基づくと、太極(宇宙)は気でできていて、気は陰陽に二分されます。

この見方を人体に当てはめ、背中が陽で腹が陰、体表が陽で内部が陰というように、対立するものを陰陽に分けることで生理観や病理観のベースにしているのです。
腹が陰で体表が陽なら、腹の表面はどうなるのかと思われるかもしれませんが、陰陽の関係とは相対的なもので、絶対的な位置づけではありませんから矛盾はしません。

ほかの例では、気が陽で血は陰の関係がありますが、気だけで見るなら衛気は陽、営気は陰となります。

このように、どこに視点をおくかでそれぞれの陰陽関係があるのです。

正常な状態での陰陽は、互いに影響しあいながら平衡状態を維持していることになります。

しかし平衡状態が乱れて、どちらかが増長としたり減退すれば病気の引き金となり、これが「陰陽失調」に当たります。

陰陽失調では、主に気と血・津液の陰陽関係を対象に考え、気の中でとくに陽性の強いものを「陽気」、血・津液の中でとくに陰性の強いものを「陰液」といいます。

両者の平衡関係が人体の体温を安定させているのですが、そのバランスが崩れて陽気が勝る、あるいは陰液が不足すると発熱を起こし、逆だと冷えの症状が出ることになります。


■臓腑経絡の失調
五臓六腑の活動はそれぞれの臓器の気が行っているが、この臓器中の気や血の不足から発症するのが臓腑の失調です。

また、経絡は気と血の一部の運行経路ですから、その機能が失調すると気血の流れに異常が起こって病気につながります。

◆複数の視点で病気をとらえる
以上の4つは、「〜という病は臓腑の失調から起こる」「〜は陰陽の失調から」というように、病気の原因を限定するものではありません。

4種のどれかだけで起こる病気もありますが、この4つは、ある症状の正体を知るための視点と考えるといいでしょう。



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