鳥‖誰しも魅せられる空へ
鳥になりたい。
在り来たりな翼なんて要らないから、
一瞬の鳥になりたいと思った。
冷たい風
素足には気持ちいい
金網、フェンスが邪魔だ。
揺すると軋む。
高笑いしてみる。
ああ気持ちいい。
最高だ。
人間は空を飛ぶときに、
地を這っていたと言うことを忘れる為に
靴を脱ぐ
そして、飛ぶ
ロマンチックじゃないか？
は、は、
素敵な理由だね
素足に風が気持ちいい
金網だらけだ囲まれた
四面楚歌？
違うね
私は順風満帆
ほら上手くいってる
叩き割って通信遮断
ちっぽけなケータイ
大丈夫メモリーは守れてる
じゃぁ私の懇親の遺書は残ってる
訳、か
高笑いしてみる
ああ気持ちいいなホントに
気持ちいい
だから
もっと強く風を浴びたい
飛んで
みたいな
鳥になれたら
ほら
鳥は飛んでる
滑空してるね、綺麗
走って
飛んで
黒々と綺麗
何処へ行くの
私も連れて行ってよ
綺麗
手を伸ばして
嗚呼届かないよ
少し身を乗り出す
少し
「危ないぞ」
「危なくないよー、ちゃんと、掴まってるから」
鳥になり損ねた日。
夢を見てたような錯覚。
「鳥は良いね」
End
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