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帰り道‖帰り道にカオス





ゆらゆら揺れる。

四つの眼が恨めしそうに見渡すけど、今は何処か遠くを見てる。

私の耳に押し込まれたイヤホンが、繰り返し死ねと呟く。

聞いてやらないよ、餡パンが食べたいから。


ズボンに落ちた涎には誰も気付かない。


バットタイムだ、まるで悲鳴だ。

同じ顔して同じ想いで見詰める生前悪。

君のシンボルマークは其の白い蜥蜴かい?


オリーブ色した景色に不死身の鉄屑。

車輪は凄いんだぜ?

そして私も車輪に成るんだ。

酸化を始めた林檎なんて棄てちゃいなよ。

其れは御揃いかい?

死にかけの水溜まりに同情の余地は無く。

虚しく蒸発の刑が太陽により執行される。

そして水溜まりはこう毒吐くんだぜ?

今日は曇りだった筈じゃないか!って。


車輪と唄いながら削られる餡パンくんは、既に悲鳴を上げている。

そして私は気付くのだ。

食べたかったんじゃなくて、食べる事に意義が有ったのだ。

再びイヤホンが死にかけの歌を唄って。

飛んで御覧よと優しく囁く。

厭だよ、飛ぶんだったら死んでやる。

急降下、橋の上。

悪びれない大きな車輪は、年中無休。

何時だって殺しに来る。

だから車輪の唄い声は嗄れやすくて。

何時しか音の無い絶叫。



空に向かって吼えたのは、





知ってるか?

世界は明日終わるんだ!






ゆらゆら揺れる

蜃気楼こそが真実で有ると何時しか車輪が教えてくれた。




私は何時か、車輪に成る。



end



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