０７２‖会話という自慰行為
自己満足の会話や行動が氾濫して相互扶助の会話や行動は僅かに残るだけで
まるで其れは自慰行為の様で
他人の自慰行為に吐き気をもよおす
独りでイッちゃって気持ち良い？
気持ち良いんだよねぇ
嗚呼そうだ、知ってる？
猿に自慰行為を教えるとね死ぬまでヤッてんだよ
人間なんて大したこと無いよね脳ミソでかくしてヤッてることは猿と同じかよ
ぺらぺらの感情を乗っけて誰が一緒にイッてくれんの
ピンヒールで踏みつけるのだって御免被るね
あんたの自慰に付き合ったんだからあたしの自慰にも付き合いなさいよ
なんて無理無理あたしはあたしのイキかたが有る訳で
羨ましいよそんなふうに出来るのが
シたいとは思わないけどね
生温い空気が指先に触れて、触れた
密着してアイシテルなんて陳腐で空虚な言葉を吐きたくない
一緒に居たい、だけ
独りでなんてイッちゃわないで
気持ち良いセックスしようよ
感情の奥に舌突っ込んであたしを濡らして、よ
前戯も無きゃ後戯もないセックスなんてツマンナイ
切り取った感情は嘘っぱちばかりで息も出来ない
気が違って仕舞うまで慰めてろよ
嗚呼、あ、冗談だったの、に、結局オナニーはいちばん気持ち良いってか
でも解ってる
独りじゃツマンナイ
だから、私は、また、
「おはよう。ねぇ、聞いてよ───」
「おはよう。へぇ、其れは良かったね。楽しそうだ。」
下らないと思いつつも、私は自慰行為に付き合うのだ。
end
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