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達磨‖猟奇的なモノが苦手な方はご遠慮下さい、本当に*


夜道、ごそごそと蠢くモノを見つけた

段ボールに何か詰められて居る

猫だろうか

私は拾う事にした


段ボールに手をかける




───あ、猫じゃない




中には四肢の無い女が詰まっていた



私は拾う事にした







私は彼女にA(アー)と名付けた

只単純に人間が最も呼びやすい音だからである


私は部屋に鍵をかける事にした

彼女を私の部屋で飼うためだ


家族にバレちゃいけない


本能的にそう思った


Aもにっこり笑って肯定した




彼女の短い髪と、厚い唇が迚も魅力的だ

時々くすぐったそうに身を捩る姿は堪らなく綺麗だった



私は彼女に食事を与える時が一番好きだ

彼女はよく、柔らかいゼリーを好んだ

Aを膝の上に乗せて、Aの口にスプーンを運ぶ時は何故か幸福を感じた

食事が終わったら、私は決まってAの項に唇を寄せた


私が毎日アルコールティッシュで拭き清めているため人間独特の臭いはしない


其れは更に私を惹き付けた






私は彼女を抱擁するのが好きだった

厭な事が有ったら

彼女を黙って抱き締めた


彼女は短い腕でそっと私を撫でた


私は初めて、この二本の腕を失いたくないと思った







彼女は外に出たいと言った

私は学校があるため1日の半分も彼女と居る事は出来ない(其れが時に私を苛つかせた)

私は彼女にぴったりのキャリーバッグを買う事にした

彼女は嬉しそうだった

私も嬉しかった




もっと寒くなったら


二人で海に行こう


強い風に身体毎持っていかれて仕舞おうよ










そして、

彼女は其の日、

足が欲しいと言った








もっと沢山見たいモノが有るし、行きたいところも有る、其れに




×××××××───





私は耳を塞いだ


何で、何で?

何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で───






私だけ居れば良いじゃない







私は雨戸を閉めた

時計を外した

時間の感覚がなくって、一人きりにして仕舞ったら


発狂することは知っていた


其れでも構わないと思った




彼女は唇を震わせながら繰り返し何か言っていた

何と言って居るのだろう?

私は聞く事が出来なかった





だから私は悲鳴を上げる様に彼女を殴った

解らない、此の悲鳴は伝わっているかな?



解らないから強く、強く殴りつけた



何で何で何で何で何で何でAに私は必要じゃないの

私はAだけ居れば良いのに

Aだけ居れば

Aだけ居れば良いのに



ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ






A…?





ああよかった

わらってくれた




そうだ、海に行こう


一緒に


一緒行こう




私はAを抱き締めた

ああ随分時間が経って仕舞ったね。

此の日のためにこっそりAに似合うポンチョ買って居たの。

ほら、似合う。


電車に乗って、海に行こう?


打ち寄せる濁った灰色の波


きっと、全部忘れさせて呉れる。





だいすきだよ






end


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