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1-C[1年crazy組]
0.03
 「…アレ?…生きてる?…ここどこだってば?」
自分の手をぐっと動かしながらナルトが呟く。
上に目をやると目の前には無限に広がる澄み切った青い空があった。
それと一緒にそびえ建ついたってシンプルなビル。
しかも1つではない。
10、11のビルが我先にと高くそびえたっていたのだ。

間違ってもここは木の葉の里ではない。
それは言いきれる。
しかし他の里でもこのような光景は見たことがないのだった。

 「すげぇー」
ナルトは感嘆の声をもらし、立っている場所から下を見下ろす。
・・・結構高い。
どうやら自分はビルの屋上にいるのだと悟る。
下のコンクリートには5、60キロの速さで動く鉄の塊。
黒、白、銀が多いが赤、青、ピンクまである。
色のバリエーションは豊富のようだ。

 「マジここどこだってば?」
ナルトは後ろに振り返る。
別に後ろに誰かがいるわけではない。
何らかの物があるわけでもない。
ただ何となく振り返った。
やはり誰もいない。何もない。
おそらく孤独感から来た勘違いだろう。
そう思い、前へと向き直った。

 「…」
まるでこの世界に1人だけという感じにさらされるナルト。
 「…ナルト」
カカシ先生の声が聞こえた気がした。
でもそれは大いなる勘違い。
またも後ろを振り返る。
ナルトの後ろには人影。
 「・・・」
 「・・・」
しばしの沈黙が続く。
 「…よっ」
最初に口を切ったのは人影だった。
呑気に片手を上げている。
何という緊張感のなさ。
その人影はカカシだった。

 「カカシせんせ…」
先程の声は聞き間違いではなかったことを思い知らされる。
そうこう感動の再開をしていると何もない場所からゾロゾロと人が現れた。
サスケ、サクラ、サイ、ヒナタ、ヤマト、キバ。
とにかく先程ナルトが消える瞬間を目撃していた者が全員現れた。

 「・・・ナルト」
 「サ、サクラちゃん…」
 「ナルトォ、あんたねぇ!・・・何がありがとうよ!!」
サクラの顔が一変。
ナルトに飛び蹴りを放つ。
それはものの見事にクリーンヒット。
あべし、と声を発しうずくまるナルト。
どうやら相当痛かったらしい。
そんな状況のナルトのむなぐらをつかみ、タコ殴り。
サクラ2000連弾の発動だ。

 「せっかく心配したのに何よあのしんみりな別れはァ!おのれはアホかァ!!何ちゃっかり無事でいるのよ!乙女心を返せェェ!!」
 「…サクラちゃん、ナルト君無事だったのに、本当に死んじゃうよ」
ヒナタが慌てて止めにかかる。
 「別にいいわよ、無事じゃなかったことにすればいいんだもの。じゃあいくわよー。3、2、1・・・ナッ、ナルトォ!しっかりして!!誰にやられたの!?こんなメッタメタに…」
サクラは目に涙をため、それをぬぐいながら言う。
 「…サクラちゃん…ヒドイってば」
 「ナルト!・・・そうか、ダイイングメッセージね…犯人は必ず私が捕まえるわ!」
…と、サクラはなかなかの演技力である。
楽しんでいるようだ。
 「ま!サクラ、そのへんにしておいて…」
カカシが譲歩し気味に言う。
そこでやっとサクラの迫真の演技はストップさせられたのだった。

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あきゅろす。
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