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黒白ノ風
530 好嫌
 (サチさん、後ろ)
いきなり白から会話術が飛んできた。



私は言われた通りに後ろに顔をやった。


 (…!!)

そこには影分身でもない、本物の白がいた。

 (・・・ボクに掴まって下さい。今のうちに逃げますよ。はっきり言いますとあの人とは戦いたくありません)

 (…どういう意味で?)
 (いちいち人を見定めるみたいに…気持ち悪いからですよ。しかも何ですか、すり抜けるって。それに当たっても意味がない?ホントに人間ですか。そして極めつけは写輪が…・・・あ、早く逃げますか)
白はぐちぐちと悪態をついている最中、なんとか自重して私に手を伸ばした。

腰に手をまわし、軽々と持ち上げてみせた。


うはっvお姫様だっこだ!!v
・・・なんて喜んでる場合じゃないよな。



 (大丈夫ですか?)
刺さったクナイを見て問いてきた。

 (ん…)
そこからあまり痛みはない。



 (とばします。振動がありますが、我慢して下さい)
白の顔が間近にある。
その中性的に整った顔が険しくなった。

廊下を通過し、なじみの階段を下る。
リビングを通り抜けて玄関から外に飛び出した。

私の目の前を森の緑がどんどん通過していく。
そこを進むにつれてトビのチャクラが遠ざかっていくのが確認できた。


…こうして私達は暁のアジトを後にしたのだった。

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あきゅろす。
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