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黒白ノ風
202 同期
私の目の前には自らの名前がくっきりと刻まれた墓石がある。
それを見、ふといいこと思いついた。
壊してしまえばいいのではないか?
…と。

今現在墓地には“私”の墓が立てられている。
その“私”は今生きている。
墓は死んだ者が眠る場所。
だから私に墓は必要ない。
…壊してしまえ!ひゃっほぅV
という思考にたどり着いた。

 「…ふふふふっ」
私は足に大量のチャクラを留め、空高く振り上げた。
心の中でカウントをする。
…3、2、1…
 「あー!!サチ!」
 「…?」
墓の入口付近で誰かが叫んでいる。
その周囲には叫んだ誰かを合わせて7人の人がいた。
墓を壊すところを人に見られたら少しマズイ…そう思い、自然と振り上げていた私の足は止まった。
墓の破壊活動は阻止されたのだった。

私を呼んだのはピンク色の髪を持つ少女・・・あれは…サクラではないか。
おぼろげだが、似ている。
というよりサクラそのものだ。
何故このような場所にいる?
まさか、サクラ達も私の墓参りに…!?
やべ、自殺したくなってきたよv

 「ぶっ、本当にやろうとしてるし」
私のもとまでやってきたサクラは一回吹き出し、続けた。
その後ろにはカカシ班、アスマ班、紅班の元下忍の愉快な仲間達がいた。
 「…え?何が?」
 「みんなで話してたのよ。サチがこの墓石見たら壊すかもってね」
 「それより何で私が帰ってきたこと知ってんの?」
 「それぞれの担当上忍の先生に至急で知らされたのよ」
先程カカシ先生が呼び出された時に他の上忍の先生達も呼び出されたか。

 「そうだ、サチ、紅先生から伝言だぜ」
どうやらキバが紅先生から伝言を預かってきたようだ。
 「…?紅先生から?」
とりあえず私は耳を傾ける。
 「あぁ・・・あまりカカシで遊ぶなってよ」
 「…あー、」
・・・遊ぶな?
遊ぶ?
あぁ、あのマヨネーズのことか。
…やっぱりカカシ先生背中にマヨネーズでハゲって書いたの気付いてなかったんだ。
・・・そのまま火影邸に…
ん〜、ドンマイ極まりないね。
私からしてみれば見事な筆文字で最高傑作だったのにな。

 「…とりあえずこの墓どうすんだ?」
今の今までずっと無言を決め込んでいたシカマルが突発的に、めんどくさそうに口を開いた。
 「墓なんかたててさ、サチがかわいそうよねー」
といの。
 「そ、そうだよね」
便乗するようにヒナタ。
 「この墓はもう必要ない。なぜならばサチは生きているからだ」
相変わらずめんどくさい説明口調のシノ。
 「・・・だから…ねv」
最後にサクラ。
私に目でサインを送っていた。
このサインの意味を私は咄嗟に理解した。

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