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黒白ノ風
115 結果
 「こ、これは!!?」
 「・・・ぇ」
・・・ま、まさか
一生このまま…!?



いやいやいや、ちょまった。駄目だよそれは!
目が見えないということは普通に行動できないし何もできない。
…ということは私にとって絶望を意味する。

 「これは…」
またも凄みをきかせた医療班の人が言いだす。
 「あ、もういいです」
しかし、私はその人の発言をさえぎった。
答えを聞くのが怖かったのだ。

逃げ出したくなった。というより逃げた。
 「…真白たん、これからは私の目になってこの先を見てね」
私は涙目になりながらも真白たんの頭をなでる。

 「ぶっ」
私を診察した医療班の人が、吹いた!!?
こちらとてしんみりしてんのに何吹いてんのこの人!
・・・おいおい、カブトをやる前にお前を血祭りにあげてやろうか。

そんなことを思い、私は己の拳を固く握り締めた。
 「くっはは!!」
そんな私の心境を更に逆なでするかのように医療班の人は抱腹絶倒である。

そしてそいつは口を開く。
 「やっぱサチいじるの楽しいネ」
…え?どこかで聞いたことのある声。
・・・誰だ。…ぁ、そうだ。この変に間延びした声はカカシ先生だ。
それにしては変である。医療班の人がカカシ先生に変わった?
あれ、医療班の人はいずこへ?

そんな私の疑問を汲み取ったのかカカシ先生は続けた。
 「サチが医療班の人だと思って話してた人、あれ俺だから」



 「・・・・・・はぁ」
カカシ先生の言葉の意味を理解するまで5秒程度。私は盛大なため息をついた。
大人気ねぇー。
こんな大人にはなりたくないね。

まぁ、前に色々やった私も悪いのだが…
しかし、それの原因はカカシ先生にある。
遅刻、毎回のように任務がある度に遅刻遅刻…
そうだ。やっぱりこの人が悪い。



私はありったけの殺気を含め、カカシ先生を睨みあげた。
 「…サチ、時々すごい殺気飛ばすねー。本当に下忍かと疑っちゃうほどだよ」
 「へー。あざーす」
カカシ先生に対し、冷たく返してみた。

 「・・・ねー、気になってたんだけどサチって火、水、土…他にも性質変化使えるでしょ」
 「・・・」
突然の質問に驚いた。
カカシ先生とは2人きりになることは無かったため今まで聞かれずに済んでいたことだ。

 「水面歩行の行とか、身のこなしとか、殺気の中での対応とかどうやって習ったの?」
「・・・」
目は口ほどに物を言う。
とりあえず目を瞑り、目の前の人物にどう対応するか考えてみる。

「・・・」
「・・・んー、近くに住んでるじゃん。白兎の子。その真白たんからかな…ひょんなことから契約できたんだよ」
火影のじじいも顔パスの真白の名を出してみる。


「・・・裏の顔でもあるのかと思えば何も出てこないし…気になって調べちゃった」
「・・・えぇーやだなー…ははは」

「波の国でも勝手に再不斬と会ってたみたいだし」
「・・・」

「担当上忍としては部下を見ておかなきゃならないワケ。今度フォーマンセルの時に何かするならあらかじめ相談してちょーだいよ」
「・・・ハイ」



 「ハァ、ま!これくらいでいいか」


 「ふぃー…」
解放された私はため息混じりにそう呟き、椅子から立ち上がる。
そして医療部屋を後にしたのだった。
 「サチストップ!」
またもやカカシ先生の声が耳に入った。

もうだまされねーよ。
そんなことを思いながら部屋を後にした。
 「サチ、そこ男便所だヨ?」
その内容を聞き、私は行動を止める。



その後、カカシ先生と一緒に試験会場内へと戻ったのだった。


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