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黒白ノ風
093 仕返
メラメラと燃えるカカシ先生の愛読本、イチャパラことイチャイチャパラダイス。
 「あっ、すいませェん。クナイ降ってきてて危なかったんで爆破したら何か変な本爆破しちゃいましたァ」
私はわざとらしく言う。
少し優越感に浸っているのは確か。
カカシ先生はというと、燃えて灰になりゆく本をただただぼーっと見ていたのだった。
私の声が耳に入っているかは定かではない。

 「クク、ククク」
すると、カカシ先生はいきなり肩で笑い始めた。
大切なものをあられもない姿にされ、とうとう頭がおかしくなってしまったのであろうか。
 「カカシ先生?大丈夫?」
譲歩し気味にたずねてみる私。
すると、
 「だーいじょうぶ」
と、カカシ先生は顔を上げて答えた。
極めて普通の表情だった。
・・・おかしい、前はイチャパラ爆破されて涙目になっていたのに。
そう思い、私はもはや灰となったイチャパラに目を向けた。
そこには灰色の灰が風に飛ばされ、空に舞うものがあるばかりであった。
ボンッ
突然、灰は白煙と音を立てて消えたのだった。
 「え」
そこにはもう何もない。
イチャパラが燃えた灰のイの字も見当たらなかったのだ。
 「サチ、これなーんだ?」
後方から声がした。
私はそちらに顔を向けた。
そこには手に何かを持つカカシ先生がいた。
そう、イチャパラを片手に持ち、私をあざ笑うかのようにそこにいたのだった。
 「忍は裏の裏を読むべし。お見通しだヨ、サチ」
 「ちっ」
一本取られた。
昨日反撃してこないと思ったら・・・このためか。
まさか今日仕返しされるとは思いもしなかった。
カカシ先生の私をあざ笑うかのような目が脳裏によぎる。
超うぜぇー
いつかまた、早くても今日仕返ししてやる。
そう誓った私だった。(誰にだよ)
.
 「…さて、と。今日の本題だけど・・・お前達を中忍選抜試験に推薦しちゃったから」
突発的なカカシ先生の発言。
 「何ですってー!」
 「そんなこと言ってもごまかされ…」
意義を唱えたのはサクラとナルトである。
 「志願書だ」
そう言いカカシ先生はどこからか紙を4枚取り出した。
その紙には中という字が大きく記してあった。
 「カカシ先生大好きー!!」
 「私もォー!」
ナルトと何とか復活した私はカカシ先生に抱きついた。
ベチョ
かすかだが、私が抱きついた時だけ妙な音が辺りに響いた。
 「あはっサチー?マヨネーズのにおいがするのは気のせいー?」
カカシ先生は笑顔で振り返り、私に問いた。
 「あっ、すいませェん。朝食べたマヨネーズが手に付着してたみたいでー」
そう言いつつも、カカシのベストで手をふく私。

 「・・・ははは、そっか。とりあえず志願書渡すから離れような?」
あぁ、この子は。
これでベストダメになったの何枚目よ…

「はーいv」
私はそう元気に返事をし、カカシ先生から離れるのだった。
 「あ、そうだサチ、中忍試験だけどさー、1人で受験できる?」
 「おうよ!どんとこいv」
カカシ先生にちっとは仕返しできたぜぃv
といったかんじのテンションで私は生返事をしてしまった。
 「そっか、よかったー」
改めて考え直す私。
中忍試験を1人?1人って、1人だよな。
 「いやいや、ちょいまった。何故1人?」
 「中忍試験は3人か原則だ。それ以上の人数は認められない。そこでだ、一番実力のあるサチに1人で受けてもらおう、ってこと。まぁ他に誰かいたら誘ってもイイヨー」
 「いや、イイヨーじゃなくて…」
そういえば中忍試験、大蛇丸とか出現するよな・・・
そうなると、1人の方が動きやすいかな。
おぉ、いいやん1人受験。
 「よし!受けてやらぁ!」
 「ヨシ、じゃあよろしく。ま!受けたい者だけ志願書にサインして明日午後4時までに学校の301にくること・・・以上」
そう言うとカカシ先生は静かに帰っていった。

なんだかんだあり、私は1人で中忍試験を受けることになったのだった。

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