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黒白ノ風
092 効果
 「遅い」
そう呟く私。
今は朝。というより昼。
朝からこの木の葉の里にある小さな橋で4人並んである人を待っていたのだ。
橋の下でサラサラと規則的に流れる川は何とも清々しい。
が、その規則的な水音は私達を苛立たせただけであった。
昨日の今日ということもあり、今日こそは遅刻せずに来てくれるだろう。
そういう下忍の淡い期待をいとも簡単に打ち破ってしまうのがカカシ先生である。
一応上忍らしい。
まさか昨日の落とし穴(かなり深い)とマヨネーズかけるだけでは足りなかったとは…

 「あれだけやったのにまだ懲りないのか」
と、またも呟く私。
 「そうだってばよ…ったく」
 (今度俺がドン引きする位すごいことカカシの野郎にやってやれ)
 「まさかカカシ先生って…M?」
 「サクラ、よくそんな言葉知ってるね」
 「まぁ色々あるのよ」
 「あーあ、今日はもうめんどくさいからいいや」
私達は橋の上で雑談をしながら話したのであった。

ー数時間後ー
 「やぁ、おはよう諸君!」
私達が待ちくたびれてしりとりをしていたところ、やっとこ私達の担当上忍サマがご登場しなさったぞこのやろう。
橋の端にある神社の鳥居のような物の上で昨日と同じように左手を挙げている。
 「今日はちょっと人生という道に迷ってな」
言動からも分かるように反省の色は全くない。
あれだけ忠告したのに、やはりまだ懲りていないようだ。
ふたつめのプレゼントでもくれてやろうか。
私は手の平に火爆術の球を作った。
ボンッ
突如、カカシ先生の忍具ポーチが爆発する。
 「ちょっとサチ、危険物投げるのやめなさいヨ」
そう、カカシ先生の忍具ポーチが爆発したのは私だ。
あらかじめカカシ先生の死角へと回り込み、手の平から火遁の性質のチャクラを放出してそれを土遁で覆って投げる。
火爆の術である。
それをカカシ先生のポーチ目掛けて放ったのだった。
爆発したカカシ先生のポーチからはクナイが不規則的にバラバラとこぼれ、地面へと吸い込まれていった。
もしこれで下に通行人がいたらただごとでは済まない。
私はその辺もきちんと配慮してカカシ先生のポーチを爆破したのだった。

それよりクナイに混ざってもう一つ、本のようなものが落ちてきた。
それは風にペラペラとページをめくられながら空中を舞っていた。
・・・あれは…
カカシ先生の愛読本ではないか。
そう思うが早いか、すかさず私はそれを爆破する。
ドンッ
するとそれは細切れになり、地面に落下するころにはメラメラと炎を立てて燃えていた。
 「もーサチ、クナイ全部落ち・・・」
カカシ先生はあるものを発見し、言葉につまった。
 「・・・サチ、それ何…」
それとはメラメラと炎を立てて燃えるカカシ先生の愛読本、イチャパラことイチャイチャパラダイスだったのだ。


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