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黒白ノ風
088 騒音
 「うぇいー」
私は一つ伸びをした。
今は朝。
私の部屋の窓にはカーテンが付いているにもかかわらず、窓からは朝日がさんさんと差し込んでいた。
丁度私の顔面に照りつけているので何ともうざったい。
さえずる小鳥は私に起きろコノヤローと言っているようだった。
とんだ妄想である。

昨日はDランク、雑草抜きの任務をした。
ただひたすらに地面から生い茂る雑草を抜くという単調な作業。
つまらないうえ、意外と疲れる。
依頼人に自分で抜け!と抜いた雑草を投げつけたい衝動に駆られた。
しかし、一応金を貰っている身。
そんなことをできるはずなく、文句をたれながら雑草を抜いたのだった。

その雑草抜きをしたせいか、体が重い気がする。
決して体重が重くなったわけではない。
私はだるい体にムチを打ち、ベッドから降りた。
そして任務へ向かうために準備しはじめた。
あまり使用しないが、クナイや手裏剣などを用意をした。
Dランクの任務ではクナイや手裏剣などといった刃物は一切といっていいほど使用しないのだ。

おおかた準備し終わった頃、
今日は遅刻するなよ。
とある人のことを思い浮かべる。
そいつは、時間に超ルーズなカカシ先生だ。
任務があるたびに遅れてこられては、こちらからしてみればたまったものではない。
墓参りに行くならもっと早起きしてほしいものだ。
そんなことを思いながら私は家を出た。
そして隣の家のドアを
ドンドンドン!
と思い切り叩いた。
殴ったと言った方が正しいが。
ガチャ
すると、家の主が出てきた。
その人もまた、支度が終わったのであろう。
 「ナルトォ、おっはよー!!」
私は部屋の主、ナルトに朝の挨拶をした。
するとナルトも
 「おはよーってばよ!!」
 (近所迷惑だ!隣の家の人、ノイローゼになったらどうすんだよ)
表面上は元気で明るく言っている。
しかし、裏では会話術で私を叱りつけた。
ナルトの表と裏…言ってること真逆だ。
何だかこそばゆい。
 「行こ!」
 (おぉ、うっかりv)
 「うらぁぁ!!今日も任務やってやるってばよォォ!!」
 「そうだねぇぇェェ!!」
 (ナルトこそ声でかいよ)
 「うおぉおぉォォォ!マッハ5ー!!」
 (別に俺はいいんだよ。万年ドベのナルトちゃんだからな)
 「んじゃ私はマッハ6ぅぅ!!」
 (私も別にいいやん。ドベ2だしね)
朝っぱらから表面上だがテンションが異常に高く、うるさい2人であった。

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