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黒白ノ風
85 深森
どうする…私?
なんて思っている間に私達はすでに森の中にいた。
緑の木々が私の心を癒やしてくれる。
はずもなく、心身共に乱れまくっているのが現状だ。
 「俺のことはあんま気にすんな」
なんてサスケに言われたものの、バリバリ気になっている私である。

いやまじごめんなさい。
何の拷問ですか。これは。
気にすんなって言われても…逆にもっと気になるわ。
・・・とりあえずこの場しのぎでやろう。

まずは…
準備体操のストレッチを…
私はそう思いつき、学生時代に無料動画サイトで見た理学療法士お墨付きのストレッチをおこなった。

やべーよ。
すごくサスケが見ている
 「気にするなとは言ったがそれは何だ」
 「・・・!」
うわぁサスケがしゃべったァ!
なんか整った顔で喋ってる。

・・・いやしゃべるか。
あまり2人きりになったことないサスケに対して挙動不審になってしまうのは仕方ない。
ここは冷静に対応しよう。



しかし理学療法士の人がやってたストレッチだよとも言えない。
そういえば動画で何が言ってたな。
 「ん、現代しゃかい…あいや、日々の生活において姿勢で全てが決まると言っても過言ではない」
そうそうこんなこと言ってた。

 「猫背や巻き肩は筋肉の増強を阻害し、改善しないままいると血の巡りも悪くなる」
とも言っていた気がする。

 「チャクラとも関係のある話か?」
「・・・う、うん!血流と身体エネルギーの巡りが悪くなるとチャクラ練る時にも影響する。すなわち、姿勢こそが日々の修行に関係するんじゃないかなと思ってこのストレッチしてる」

 「なるほど」
よし乗り切った…


しかし…
修行なー…
忍術とかあまり派手なことやると説明できないし、体術ならなんとかなりそうかもしれない。

とりあえず影分身さんになんとかしてもらおう。
私の考えはこうだ。
まず影分身を出す。
その影分身と本体の私が戦う。
激戦を繰り広げる。
その後、「自分の敵は自分だ」とかなんとかテキトーなこと言えばいいか。
よし、多分完璧だ。



私は一度動きを止めて深く息を吸い、影分身の印を組んだ。
ボボボンッ
…いつもとは違う効果音と白煙。
白煙が晴れた先にいたものは、私の影分身ではなかった。
茶色い塊。
栗に足が生えたような外見。
まるでスーパーなマリ○なブラザーズに出てくるお馴染みのザコキャラ、クリ○ーのようだった。
というかそれである。
それが5体?…5匹?そこにいたのだった。
 「・・・」
印間違えた。

私がそんな風にボケーっとその茶色塊×5を見ていると、突然そいつは丸い足をサカサカと規律よく動かして移動し始めた。

・・・きもい、きもいぞクリ○ー。
クリ○ーは車並みの速さで森の中を駆けていた。
木にぶつかっては跳ね返る。
それを幾度となく繰り返していた。
心なしか口元はほくそ笑み、キモカワなどという単語は皆無。
ちょうど、キモイという単語があてはまる外見だった。

 「きもっ!」
私はそう吐き捨て、それぞれのクリ○ーに一本ずつクナイを投げた。
とりあえず早く消したいという一心でクナイを投げたのだった。

私が投げたクナイは方向、スピード共に狂うことなく真っ直ぐクリ○ーへと向かい、当たった。

ポヘッ
などと変な効果音を発し、クリ○ーは白煙を立てて消えたのであった。
森に沈黙が流れる。
 「・・・」
 「・・・」

 「・・・す、すげぇ…な?」
一番に口を開いたのはサスケだった。
そして続ける。
 「俺もやってみていいか?」
なんともキラキラした目で言われたからにはどうしようもない。

…やってみていいか、って・・・あれを出すのか?
そうなのかサスケ・・・
できるのかサスケ・・・

 「・・・うん、いいよ?」
私は同意の返事をした。
してしまった。
 「じゃ、いくぜ」
サスケもまた私が間違えて組んだ印を組んだ。
ボボボン
これまた変な効果音で白煙が発生した。
その白煙が晴れた先にいた、いや、あったものは・・・茶色い球体だった。

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あきゅろす。
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