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黒白ノ風
76 原作
再不斬の脇腹からはとめどなく血が流れている。
しかし、脇腹がそんな状態になっているにも関わらず再不斬は立ち上がった。
 「ぐ…ゲホッ・・・」
再不斬な顔をしかめながら吐血した。

吐き出された血は
ビチャ
と音を立て、地面に滲む。
それもお構いなしに胸を上下させる再不斬は立ち上がった。

先程は仰向けになり、動かないでいたことで出血量が少なかったものの、今や動き始めたことで出血量が多くなっている。
再不斬の脇腹から足をつたいながら地面へとしたたる赤い液体。
それもアスファルトの固い地面を赤く染めていた。

その光景を呆然と見ていると、不意に再不斬が動き出した。
おぼつかない足取りで地面を擦るようにして一歩一歩前へと進んでいる。
 「待って、どこに行くの!?」
慌て引き止める。
これ以上動いたら出血多量で…
それは避けたい。

すると、再不斬は
 「ア、イツ…白・・・の、ところ、、だ」
とぎれとぎれに言う。
 「安静にしてないと死んじゃうよ」
 「ハッ、自分の、こと、くらい、分か、、る。俺は、もう…」
 「今からでも病院行けばまだ間に合
 「こん、な、土地に病院なんてあるか・・よ。それ、に俺、みてぇな抜け…忍を、診て、、くれるとこ、ろなんて、ねぇ・・・」 …」
そう私の言葉をさえぎり、とぎれとぎれに言うとまたも歩き始めた。

返す言葉がない。
確かにここ辺りには再不斬の脇腹を見れるほど大きな病院はなかった。
仮に木の葉へ連れて行くにせよ、再不斬は抜け忍。
診てくれないどころか、ただでは帰してくれないであろう。
随分と私の前に行ってしまった再不斬。
私はその後ろ姿をただ見つめていた。



…やはり原作は変わらないの?
私のような非力な者が1人増えただけでは変わらないのか?

私はこれから起こるであろうことを知っていた。
私だけしか知らなかった。
私がもっと強かったら変わっていたのか。
もっと頭が良ければ変わっていたのか。
医療忍術を覚えていれば再不ちゃんの傷を直せたのか、、
もっと…もっと・・・

目の前の結果を突きつけられてただ呆然とするしかなかった。





突如、橋でゲスじみた声が響いた。
 「おーおーハデにやられてェ、がっかりだよ…再不斬」
そいつは再不斬に橋の襲撃を命じたガトーだった。
そいつの後ろにはうじゃうじゃゾロゾロとうっとおしいほどの沢山部下がいる。

ガトーもまた、原作通りのタイミングで出現したのだった。

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あきゅろす。
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