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黒白ノ風
72 危険
再不ちゃんが危ない、かもしれない。
カカシ先生が口寄せした忍犬によって動きを封じられ、動く術を無くした再不ちゃん。
そこにカカシ先生が雷切を放ったような放っていないような・・・
そんな原作だったような気がする。
前々からもそうだが、とても曖昧だ。



「着いぞサチよ」
私が頭をひねっていると前方から真白の声がする。

私は真白から飛び降りた。
そして走り出す。
・・・そういえば霧が晴れてきた。
再不ちゃんがわざと晴れさせたか、霧を作れない状態にあるか・・・
その答えは後者。
霧を発生させたことでせっかく有利な状況下にいるのにわざわざ晴れさせるような馬鹿はいない。

どこだ…どこにいる?
しだいに霧は晴れ、辺りの様子が伺えるようになってきた。
そうなるとどこに誰がいるか分かってくるわけである。
・・・いた!
カカシ先生と再不ちゃん。
再不斬にはカカシ先生が口寄せした忍犬達が動かせまいと噛みついている。
カカシ先生の足下には忍犬を口寄せした時に使用したであろう巻物。
あれを破けば再不斬にまとわりつく忍犬達は消える。たぶん。

バチッ!…チリチリチリ…
どうやって巻物を破こうかと試行錯誤を練っていたところ、耳をつんざく雷の音が辺りにこだました。
何事かと音の方向へと目を向ける。
そこにはカカシ先生が手に何かをまとい、立っていた。
よく見るとカカシ先生の手から膨大な雷の性質のチャクラが放出されているではないか。

雷切。
ナルトから修行用にともらった雷の性質の巻物には記されていなかった。
完全にカカシ先生オリジナルの術である。
生で初めて見た!
超かっこいい!!
・・・ってか感動してる場合じゃない!

どんなにかっこよくてもあれは危険な忍術だ。
止めなくては。
最低でも再不斬に当たらないように…

再不ちゃんが動けるようになれば…
そのためには忍犬が邪魔だ…
呼び出した巻物を破けば忍犬は消える。
・・・よし。
私はポーチから手裏剣を取り出した。
カカシ先生の死角からこれを投げて…
私は頭の中で少々のシュミレーションを練った。
うん、いける。

私はカカシ先生から見えなくなる程度まで後ずさり、手裏剣を放った。
もし、もし当たらなかった時のために2枚投げた。
あとは私の手裏剣における実力と運次第。
狙いは、忍犬を口寄せした巻物。
・・・だけど…やはり不安だ。
念のためにもう一度投げておこう。
私は素早く手裏剣の第2軍を巻物に向かって投げた。



カン キィィン
金属のぶつかる音と共に手裏剣が、何かによってはじかれた。

・・・何で?
私は驚いた。
はじかれたこと事態に驚いているわけではない。
私の手裏剣をはじいた武器に対して驚いているのだ。
巻物のそばにただ無造作に落ちているのは私の投げた手裏剣と、千本。
この戦闘において千本の使い手は言うまでもなく、白しかいない。

カカシ先生が動き出した。
手からはチリチリとせわしなく千鳥が咆哮しているようだった。

カカシ先生の一連の動作を見ている間に、私が投げた手裏剣の第2軍が巻物を射抜いた。
2軍、念のために投げておいてよかったな。と思う私。



自由になった再不斬がカカシ先生の攻撃、千鳥をちゃんとよけていてくれているか。
それを見るために私は見える場所まで駆けた。

そこで私は目を疑う光景を目の当たりにしたのだった。

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