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黒白ノ風
68 余暇
あぁ、よかった。本当によかった。
今は喜びの感情が私を支配している。

昨日の深夜というより今日、交渉が成立したからだ。
変な条件付きだが、これでもう心配はない。
再不ちゃんもまたどこかで会うことになるのかな?

交渉まてこぎつけたかいがあった。

私は今橋の建設現場でサクラともに木材に腰掛けている。
カコン、カンカンなどと金属を打ち付ける音が辺りに響いている。
周りの人達はせわしなく動いているというのに私は一人で大あくび。

先程あまりにも暇だったので手伝おうと話しかけたらすっぱりと邪魔だ。と言われてしまった。
隣にいるサクラはただひたすらに喋っている。
 「サスケ君って本当カッコイいわよねー。もぅ、この任務始まったとき、忍者と戦闘になった時のサスケくん最高よ!忍具の扱いもピカイチよね!」
サスケの話題ばかりである。
かっこいいことは誰が見ても分かるよ。
と心の中でつっこみを入れる私。

まぁ確かにかっこいいよ。
イケメンは国の宝だからね。
3年後なんてもうやばいよ。直視できないほどやばい。
ふふふ、何であんなにかっこいいのだろう。
こっちに来て何よりもうれしいのがサスケが見れること。

毎朝おはようの挨拶から始まってバイバイの挨拶で終わる。
もうどこに目を持っていけばいいのか分からない。うん。
 「ぇ…ねぇ、サチ!」
サクラの声。そちらを向くと心配したような顔をしている。
 「・・・どしたの?」
私はサクラに問う。
 「サチ今危なかったわよ。空中を見つめながらにやけてたんだから。どこへ逝くつもりだったのよ」
・・・私はそんな危ない顔をしていたのか。これからは気をつけねば。
これからは余計な妄想はしないようにしよう。



・・・それにしてもこうして何もしないでいると暇だな。
私に再度芽生えたのは暇という感情。
何をしようか。
タズナのオッサンがいる場所にいなきゃ護衛の意味ないし。
隣のサクラは未だサスケのかっこよさを語っている。



せっかく水辺の多い場所にいるんだから水浴びしつつ水上での術とか自然の水を使った立ち回りでも考えるか。

そうふと思い、私は立ち上がった。
 「…?サチ、どうしたの?」
サクラは何の前触れもなく立ち上がった私を下から見上げている。
 「ちょっトイレ」
何気なくちょっととトイレを繋げてみた。
サクラは少々しらけた顔になった。もうどこへでもいってしまえ。といった表情だ。

私はそんなサクラをよそに森へと消えた。
そして影分身を作る。
その影分身を私が元いたサクラのいる場所へと行かせた。
私の影分身は森をくぐり抜け、橋の建設現場へと向かっていった。
よし、これでおっけ。
サクラ、悪いけど永遠に私の影分身に恋話をしていてくれ。
私はそう思い、森の中を進むのだった。



これから橋が完成するまでこんな感じか。
あと3週間とか言ってたよな。タズナのオッサン。
3週間もこんな様子だったら気が狂うかもしれない。元から狂っているのだが。
まぁ他の暗部の任務があるだけでもまだましだ。

暇ってことは平和ってことだ。うん。
いいことだ。ラブ&ピースだよ。
私はそんなことを考えながら修行をし始めるのだった。



これから3週間はこの日常が続くはずだった。

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あきゅろす。
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