[携帯モード] [URL送信]

黒白ノ風
64 敵地
私は昼間に十分に睡眠をとった後、夕食を食べてナルトと共に暗部の任務を遂行した。
その後帰り道で怪しまれないような口実を作り、ナルトと別れた。



向かう先は白のところである。
昼、今は日付が変わった深夜なので正確には昨日の昼。会うということを約束したからだ。
こんな深夜に迷惑極まりないが、会うチャンスがもう無さそうだし、早めがいいということもあり今日にした。

現在私は海岸近くの森を駆けている。
辺りはすっかり闇に染まり、空には私を見下ろすように月が浮かんでいた。
波の音が心をくすぐる。
深夜に行動するのはなんだか心が躍る。

ふと遠くを見渡すと人影が見えた。
こんな深夜に灯りもない海岸をうろついているからにはただ者ではないことが分かる。
深夜だが月明かりが人影をてらし、その人の存在を引き立てている。
その人は、白だった。

私を待っていたのであろうか。
もっと早く来ればよかったな、と思う。

 「こんばんはー」
と私。
 「本当に来るとは思いませんでした。たまには外に出るのもいいですね」
と白。
たまに外に出るということは、ただの散歩であろうか。だとしたらすごい偶然だ。
 「立ち話もなんですのでアジトで話しましょう。再不斬さんもいますので」
 「ん、了解」
私は短く返事をした。
ちゃんと交渉できるかな…
待たれるの初めてだから緊張するな…
え、しかもこんな深夜に海岸で愛引きみたいじゃね、えへへ
・・・うん、ここはポジティブにゆこう。
様々な気持ちや思いがこみ上げてくる。



私の交渉の内容は橋の襲撃をやめて欲しいというものだ。
これから一週間後辺りに再不斬の仮死状態の時の痺れ(?)が無くなる。
再不ちゃんが普通に体を動かせるようになったらまたタズナのオッサンの命を狙い、橋の建設をストップさせるだろう。
しかし、橋であの二人は・・・
なので橋を襲撃しても意味がないということを伝え、来ないように交渉したいのだ。

そうこうしているうちに交渉をするためにアジトへと到着した。
敵地のど真ん中へと足を踏み入れる。もう1秒たりとも気が抜けないだろう。
私は今のうちに外の空気を実感しつつ、白の後について建物の中へと足を踏み入れた。



「さて、ここが私達の部屋です。厄介事はさけたいのであまり大きな声は出さないで下さい」
ガトーのアジトへと入り、少しばかり入り組んだ廊下を進むと一つの部屋へと辿り着いた。

白は木のドアを開き私を招き入れる。
少し中の様子を伺ってみた。
質素な部屋だった。無駄な家具が置いていない。
部屋の奥にただひとつベッドが置いてあるだけだった。

白は部屋へと歩を進める。
私もそれに従って部屋へと入った。

パタン
私が部屋へと入ったのを確認したかのように部屋のドアがゆっくりと静かに、閉まった。

[←][→]

24/47ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!