黒白ノ風
61 事故
「・・・そうですか」
白にガトーの企みを話した。
すると白は考え込み始る。しきりに頭をひねっている。
「…何故ガトーがそう企んでいると分かるのですか?」
白から一言。
疑っているのだろうか。
まぁ、それはそうか。
いきなり現れてガトーの企みを話し出したからには予言者という言葉の他当てはまるものがない。
何も考えていなかった。
…予言者…か。
「わ、私占いをやっているの。それであなた達に不吉な影が迫っていたから・・・」
苦し紛れの嘘。
もう占い師設定でいいか。
「あ、内容を疑っている訳ではありませんよ。内容に偽りがあったとしたら、あんな自分から千本刺さりに来る人いないと思いますから。」
…やはりあの作戦か効いたのか。
痛かったけど凄いな。
「あ、水遁・・・」
白と話をしていると向こうから水が流れてきた。それも大量の。
「…再不斬さん、危ないですね」
「ん、行ってら」
どうやらカカシと再不斬の戦いは終盤に突入したようだ。
あれほど迷いに迷って白と戦闘し、話しをしていたにも関わらず時間とは経つのが遅いものだな。
とか思っていると、
「いつか改めて話しましょう。ここのから北東の海沿いに2キロほどにガトーのアジトがありますから」
白は言う。
改めて話をする・・・どうやら詳しく話を聞いてくれるらしい。
白に交渉の時間を設けることができた。
ここからどこまで持っていけるかが勝負どころだ。
この波の国では、もうガトーのせいで死者が出ないようにしたい。
あんな奴をこの世にはびこらせていること自体が間違いだ。
私利私欲のために皆の幸せを奪わないでほしい。
せっかくこの世界にいるのだから出来るだけのことはしたい。
ただじっとしていることもできないから。
絶対に白と再不斬は助けたい。そう思った。
私は白が去るのを待ち、7班のメンバーのもとへと戻った。
「カカシせんせ、やっほ」
「サチ、どこ行ってたの・・・船繋場で待ってろって言ったのに」
私の安否を確認してほっとするカカシ先生。
少々呆れ気味だ。
「サチ、大変だったんだってば!」
(この方向音痴)
ナルトとの久々の会話術。
「ウスラトンカチ」
とサスケ。
・・・どうやら私もナルトと同様、ウスラトンカチというあだ名がついてしまったようだ。
「あはは」
とても久々に7班メンバーと会ったような感覚。自然と笑みがこぼれる。
ドサッ
何とも微妙な感覚に浸っていると後方で何かが倒れる音がした。
「え、何?どうしたの!?」
とサクラ。
「カカシ先生ー!」
とナルト。
「うわ、死んだ!」
と私。
皆驚き方は様々である。
「・・・今までありがとうございました。お墓、任務終わったら作りますね。いやぁ、寂しくなるなぁ」
私はそう言いながら懐から消えないマジックペンを出し、そこらへんにある木に『はたけカカシここに眠る』と記した。
「カカシ先生生きてるってばよ・・・」
「知ってるよ」
この後カカシ先生を皆で引きずり、無事タズナのオッサンの家へと到着した。
私達はやっと臨戦状態から解放されたのであった。
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