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黒白ノ風
59 交渉
今目の前にいる人物は私に向かってこれでもかと言わんばかりに千本を投げてきている。
千本は忍具らしい。例えるなら鉄製の焼き鳥の串が最も近い。
それを何とかよけるが数が多い。



…これは本気で私を殺そうとしているのだろう。
その証拠に喉の危ない器官、心臓、肝臓などといった刺されば致命傷になる場所ばかりを狙ってきている。
まぁあまりそういうことには詳しくないけれど危ないことは分かる。
・・・しかし、おかしい。
何故そこを千本で狙う?
クナイ、手裏剣の方が殺傷能力があるはずなのに。
あまり殺傷しない武器での攻撃。あれ?つまり殺さない、殺したくないということなのだろうか。



・・・そういえばこの人は優しい人だったような気がする。
漫画の内容をだいぶ忘れてしまった。…1年漫画見ないで細かいことまで覚えている方が凄いんだけれど。

・・・どうすればいい?この状況を。相手は私を黙らせようと必死だ。どうする…
とりあえず押さえ込んで交渉といこう。
かなわないと分かれば少しは聞いてくれるかな?

そう思い私は風を切り、飛んでくる千本の軌道を把握した上でクナイではじき、かわすために身を翻す。
白に手が届くほど近くまでたどり着いた。

私が白の近くまで行くと今度は千本で切りつけてきた。
千本を投げ飛ばすには腕を振り上げる必要がある。
おそらく間合いをとるためだろう。



白の攻撃に対し、私は今まで攻撃を仕掛けなかった。
あくまでもこの人とは戦闘をしたいのではなく交渉をしたいのだ。

しかし、それはかなわない。
じりじりと合間を詰めようとする私に対して変わらず千本を振り上げる白。

どうすればこの状況を変えることができるか攻撃をかわしながら考えてみる。

そういえば話しを持ちかけた瞬間千本飛んできたし。
相手はガトーの名前を出した瞬間に私を敵と認識した。
いくら攻撃をかわそうがどうにもならない。
これは一度拘束しないと交渉できないな…



…ここは角都をも騙した方法でやってみますか。
私は手の平で火爆術を作る。そしてそれを白の足下へとばらまいた。踏むと爆発する地雷タイプだ。
いったん相手の動きを止めなければ交渉などできやしない。

しかし、白は危険を察知したのか地雷を避けて華麗に違う地面へと着地した。
ドドッン
瞬間、白のいる地面が爆発した。
 「!?」
白は困惑している。安全だと思っていた地面が爆発したのだからその行動は当たり前だが。

 「つっかまえたv」
私は白が困惑している隙に腕を掴み、千本を投げる動きを止めさせたのだった。

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あきゅろす。
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