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黒白ノ風
58 遥着
一つのサンダルを失った末、前へと進むことにした私。
流石に海上で裸足はキツいので裸足の足にチャクラをまとっている。何気普通だ。暖かくもないし寒くもない。
もう忍者全員裸足でもいいのではないかと思ってしまうほど。

今しがた前方に大陸が見えてきた。喜ぶ私。
やはり勘って当たるな。
そう思いながらとりあえず上陸した。


上陸し、まず思ったことは
ここが波の国…か?
である。
目の前に広がるものは緑のない地面。森などは皆無。
木があるとしてもちゃんと育っているのかすら分からない木枯らしばかり。
普通の地面の土より遥かにサラサラしている。土というよりは砂だ。
今までの説明をまとめると砂漠っぽい大陸である。



…あぁ、あはは。ここが波の国かぁ。キレイ?だな。うん。
周りを見回すと看板のような物体を発見した。何故看板のような物体なのかというと、看板の端が風化していたからだ。
お、看板発見。内容は・・・
ここより寅の刻6キロにオアシスありけり。只今入居者募集中なり。
風の国の風土を味わえ、観光ともに楽しめます。
ー風の国土地売買会社、アパ○ンショップー

・・・寅の刻ってどっちだよ。
〜なり、〜けりとかいつの時代ですか。
極めつけはアパ○ンショップ。
何とも突っ込みどころ満載の看板である。
 「・・・ギャー!!」
思わず看板を蹴ってしまった。私に蹴られた看板は風化していたせいもあるのか、いとも簡単に真っ二つに割れた。
割れて落ちた方の看板はトサ、と砂を巻き上げて地面に落ちた。
何故蹴ったか。私は内容を目にして思わず蹴ってしまったのだ。
看板からしてみればとんだとばっちりであろう。
内容とは、風の国という言葉…
風の国。砂隠れの里がある広い領土を誇る国だ。

・・・やはり道を間違えたようだ。
そこは木の葉の里から南西に位置する。
波の国からはまったくの反対というわけではないが違う場所である。
私はどうやってそんなに道をそれたのだろうか。
波の国は木の葉から南にある。
…だからここから波の国に行くには…東南に進めばいいのか。このやろう。
ここから南東に行けば波の国か…少々気が重い。
 「はぁ」
大きなため息を一つつき、私は今度こそ波の国へと向かうべく駆け出した。
今度は間違えない。そう思いながら。





2、30分ほど走ると辺りに霧がかかってきた。進めば進むほど霧はしだいに濃くなってゆく。とても濃い。
どうやらこちらの道で正解だったようだ。
たぶんこれは再不斬の霧隠れの術だろう。
自然発生でこれほどまでに濃い霧はあり得ない。

おそらくカカシ先生達は戦闘中だろう。
よし、あと少しだ。
私は海から陸へと上がり、戦闘のある場所へと向かった。



その途中、
 「あてっ」
木々が生い茂る森の中、誰かとぶつかった。
 「すんません」
 「こちらこそ」
私が謝ると相手もぺこりと頭を下げて謝った。
 「・・・あ゛」
相手の格好を見た私は反射的に指を差してしまった。
 「?」
頭に?マークを浮かべる相手。
・・・今私の前にいる人、この人は白だ。
決定的なのが面。
あれは霧隠れの追い忍の面だ。
ナルトから借してもらった『知っておけばためになる忍び豆知識の本』というものに載っていた。
本当に知っていて豆知識になるのかは分からないのだが。

うん、やはりこの面といいここにいるということは確実に白だ。
この向こうで戦闘が繰り広げられているのであろうか。
…そうだ。白にガトーのこと説明すれば納得してもらえるかもしれない。

ものは試しだ。言ってみよう。
 「あの、ガトーのことで話が・・・うおぉう」
ガトーという人名を出した瞬間、白は千本を私に向かって力いっぱい投げてきた。
私はそれを長年?の経験を生かしてよけた。
 「ちっ」
白は小さく舌打ちをし、さらに千本を投げつけてきた。
何故か戦闘が始まってしまったのだった。

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あきゅろす。
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