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黒白ノ風
57 途方
・・・あぁ、困った。
私は一人大きなため息をついていた。
カカシ先生に言われた通り海上を走り、波の国を目指した。

チャクラを温存するために走って目指したのだが、困ったことが一つある。
本当に気をつけていたことなのに。
その困ったこととは…
何を隠そう、迷ってしまったのだv
どうだ!このやろう。

…困ったこととはそれ。
ちゃんとカカシ先生に言われた通り真っ直ぐ進んだはずなのだが。たぶん。
方向感覚があまりないらしい。

今だに海上で途方に暮れる私。どこへ進めばいいのかすら分からないのだからどうしようもない状況。
先程から立ち止まって考えているのだけど、考えすぎてどちらへ進んでいたかすら忘れてしまった。
あぁ、コンパスが欲しい。北はどっち?南は?西、東は?
はは、わっかんね。
東西南北すら分からない。まぁ、分かったらすごいのだが。



・・・よし。ここはひとつ賭にでようではないか。
私のはいているサンダルを二つ投げて…
二つとも裏が出たら前。
二つとも表が出たら後ろ。
一つめが表で二つめが裏だったら右。
一つめが裏で二つめが表だったら左。
おぉ、我ながら完璧ではないか。
 「よっしゃ、行くよ!」
誰に言うでもなく私は足にはいたサンダルを緩め、いつでも飛ばせるように準備をした。
そして、飛ばした。
ヒュ
とサンダルが風を切り、放物線を描いてポチャンという音を発し海の底へと沈んだ。
 「・・・」
一人でいたたまれない空気になる私。
 「あはは」
もうこれは笑うしかない。
そうだった、下が海ってこと忘れてた。
もう何もかも忘れてて駄目じゃん。
そう思っている間にも海の底へ底へと沈んでゆくサンダル。
今までありがとう。君の活躍は忘れないよ。
私はサンダルを拾いはしなかった。
今海に入ったら出た時、水の重みでチャクラの消費量が多くなってしまう。

サンダルは替えがきくが、チャクラは一度減ったら休まない限り回復しないので。

とりあえず私は前方に進むことにしたのだった。

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あきゅろす。
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