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黒白ノ風
586 無知
 「今回、長門さんと戦った時の話と・・・あと・・・。…ああそうだ、興味がなければ流してもらっても構わねぇ」
 「聞くよ」
私は即答した。




それを見たナルトは少し笑い、それから話を再開した。

 「まずは長門さんと戦った時の話だ・・・サチの言葉を聞いて俺はエロ仙人の助太刀に行った。
結論から言うと・・・俺が駆けつけた時には、既にエロ仙人は・・・」

言葉に詰まるナルト。
瞳は揺らぎ、表情は悔しさを表していた。

 「・・・」




 「・・・もう殺された後だった」







 「・・・」
けど、さっきは生きてるって…。
ナルトの言葉を記憶から探り、思考した。



 「最後の最後で長門さんが生き返らせてくれたんだがな…」
 「・・・そうなんだ。」

私の様子を見かねたのか、補足をしてくれたようだ。






 「で…エロ仙人が殺されて、長門さんが憎くなった。俺は訳が分からなくなっていた。長門さんに復讐したくなり、そのまま九喇嘛(クラマ)の、九尾の力を借りた。
・・・ただ、自分の師匠すら助けられないことが悔しかった。八つ当たりだったのかもな」




 「・・・」
ナルト…






 「で、自ら封印を解こうとしていた時、四代目火影に会った。
・・・今更だ。今更俺に九尾を封印した奴が出てきたんだぜ。
でよ・・・開口一番に、
”随分スレて育ったね”
…だってよ・・・笑えるよな」


あざ笑うかのような口調で棘のある言葉を続けていたナルト。






…それが急に柔らかくなった。

 「でもな、嬉しかった。やっと…ずっと欲しかった家族ってやつに会えたから・・・」

薄暗い洞窟の天井をあおぎ、何かを思いながら言っているようだった。







 「・・・」



先ほどから言葉が出ない。
今、私の知らないナルトが目の前にいる。
ナルトについて私は何も知らなかったのだと今更になって思い知らされた。






面を食らっている私をよそに、更にナルトは続けた。







 「四代目火影は俺に九尾を封印した理由と、トビについての情報をくれた。んで、また九尾の封印を掛け直して消えた…」


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あきゅろす。
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