黒白ノ風
583 零白
「さて、長居は無用、俺と小南はそろそろ帰るとしよう…」
「・・・」
もう少し話したかったんだけど、長門さんも色々とあるんだよね…
「うん、長門さんまたね」
「・・・今更だが、その長門さんという呼び方をサチにされると気持ち悪いな…」
「・・・」
いや、そう言われても、なんというか見た目からしてそう呼びたくなるんだよね…
ペインの天道より威厳があるというか…
天道のもとになった人、弥彦さんのようにいじりたくなるような顔をしてないというか…。
「長門はいつもみたいにヘタレリーダーとかヘタレとか罵ってほしいみたいよ?」
「小南、そのようなことは言っていない」
先ほどまで真白の殺気にあてられておし黙っていたのだが、小南お姉サマは健在のようだ。
「んじゃ・・・リーダー、それに小南お姉サマまたね。」
「あぁ」
「またペインの頭にタケコ◯ター刺したりしてあそびましょうね」
今日は少し張り詰めた雰囲気だったから分からなかったけど、長門さんも小南も変わっていないようだ。
「うん!」
それがなんだか嬉しかった。
「そうだ、一つだけ聞いておきたいことがある・・・イタチと白はどうした?」
「・・・」
この質問はいつかは来るとは思っていた。
しかし、いざ聞かれると言葉がつまる。
「何かあったのか?」
「ちょっとね・・・白は今一緒に行動してるんだけど、イタ兄はたぶんトビに殺された…」
「そうか・・・」
「とりあえずいきなり消えた3人がどうなったかだけ聞いておきたかった。積もる話はまた今度しよう」
3人とは私と白とイタ兄のことだろう。
確かに私のようなやつに何も言わずにアジトから消えられたら気になるよね。
「では」
そうとだけ残すと長門さんと小南は僅かに光の差し込む入り口から外へと出て行った。
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