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黒白ノ風
582 欺策
「今回の長門さんによる木ノ葉襲撃はトビの目を欺くためでもある」

「欺く…」


ここでいつの間にか私たちのもとへと来た長門さんが口を開いた。
「そうだ。暁のリーダーとして九尾を捕獲する役割を果たす。そうすることでトビの目を欺こうとした」


長門さんの一挙一動を監視するように見ていた真白がようやく長門さんに向かって話しかけた。


「・・・何度も言うようだが、その為だけに木ノ葉の里に手を出したのか」
今だに狼の姿を解かない。
長門さんへの敵意を表しているのだろう。




「本来ならばそこのナルトにペイン達を止めて貰うはずだった。すまない。」
長門さんは真白を真っ直ぐ見ながら申し訳なさそうに言った。


「ナルト、おぬしもなにゆえにそれを許した…?」


「・・・トビってやつは一筋縄じゃいかねぇ。俺も出来れば木ノ葉を巻き込むようなことはあまりしたくなかったんだけどな」


ナルトの言うとおり、それほどのことをしなければトビは欺けない。
実際に原作を知っている私ですらトビについては未知数なのだ。

しかも最近は私が色々しすぎて原作すらあてにならなくなっている。
まぁ今回のことについて、私としてはだいたいの事情を把握した。



「真白、私も暁でトビに殺されかけた。そのくらい強い。その上姑息な手を使ってくる」
今の真白の唯一の居場所、木ノ葉の里を想う気持ちは分かるが、真白と長門さんにはあまり喧嘩してほしくはない。

その思いで色々と補足をしてみた。


「・・・」
「それに、今回は何もなかったしさ」




「・・・…それもそうだな…」
こうは言っているが、真白はあまり納得していない様子だ。

しかし、空間を圧迫していた殺気はいつの間にかなくなっていた。
ボンッという音と、白煙を立てて真白は元の兎の姿に戻った。

「ふむ、この姿が一番落ち着く…」
募っているだろう苛立ちを振り払うように真白は呟いた。

「真白たん…」







「・・・本当にすまないな。まさか木ノ葉の里にいるとも思わなかったが…」
長門さんは再度真白に謝った。



「・・・?」
木ノ葉の里にいるとは思わなかった…?
真白のことかな。






長門さんの意味深な発言をよそに、ナルトは私に質問を投げた。

「他に気になることはあるか?」
「ん!…んー・・・今は特にないよ」
「そうか」



この場ではないが、ナルトと長門さん、それぞれに聞きたいことができた。
また時間のある時に、それぞれに聞きたいと思う。

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あきゅろす。
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