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黒白ノ風
579 威嚇
しかし…
(案ずるなと言っているだろう…)
私の心配をよそに呆れたような口調で返答が帰ってきた。




それから一瞬の出来事だった。
真白は何もない空中でぴたっと留まったかと思えば、身をひるがえして空を蹴るように加速したのだ。










先程よりも速いスピードで長門さんに真白の牙が迫る。
力を発動させたことによって数秒の隙ができた長門さんになす術はない。

それを知ってのことか、真白は背後へと周りこみ、喉元に牙をあてた。






「力の差は最初から見えていよう・・・
…おぬしの両目にあるその輪廻眼は飾りではないのだろう…?」

のしかかるようなかたちで長門さんの耳元に言い聞かせた。
その口元はつり上がり、背筋の凍るような表情だった。




「…や、やはり・・・お前は、、」
「それ以上口を開くならばこの首が飛ぶと思え」
絞り出すような長門さんの声を真白は遮った。





そしてこう付け加えた。
「…あと五つ数えるうちに木ノ葉の里から去れ・・・よいな。」

そう言うと真白は長門さんから離れた。




「一つ…」
真白によるカウントダウンが始まる。



「二つ…」




「三つ…」




「小南、帰るぞ…」
「ええ・・・」
長門さんは真白の殺気にあてられて硬直した小南を抱えた。


「四つ…」
長門さん達がこの空間から出て行こうとした時だった。


「オイ、これはどういう状況だ…?」
薄暗い洞窟の中で何者かの声が響いた。


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