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黒白ノ風
574 木中
というか、ペインは私にとって友達というかリーダーというかなんというか…
 「いや〜…あの」
 「まぁよい。ゆくぞ」
真白は言葉を濁す私を差し置いてずんずんと木の中に入って行ってしまった。



そんな急がなくてもいいのに。

そう思った頃には真白の姿はもう目視では確認出来なくなった。
きっと完全に木の中に入って行ってしまったのだ。


 「うわ、まって」
私もそれに続く。
木の入口は紙でできており、手で掻き分けるだけで容易に開いた。
そこから漏れるひんやりと冷たい空気が私の足元を冷やした。




 「・・・」
この中に長門さんと小南が…



少し考えてから足を踏み出した。

・・・中に入ってみると、やはり暗い。
ひんやりとした空気と薄暗さが外とは違う雰囲気をかもしだしている。
それに、今まで外の光にさらされていたせいで目が慣れていないのか、途方もない暗闇にいるかのような錯覚に陥った。


少ししてから細目で辺りを見ると何とか暗闇に浮かぶ青白い真白の後ろ姿が確認できた。




 「真白!寂しかったよ!!」
 「阿呆が。状況を把握しろ」
暗闇から真白を見つけることができた喜びを表現したのだが、当の真白からはキツイ言葉が返ってきた。


あほうって…真白たん冷たい・・・
口を尖らせながら自らの目を真白の視線の先に向けてみた。


そこには長門さんと、小南がいたのだった。

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