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黒白ノ風
572 妄想
なんてことはできなかった。


 「うっ…!!!」
私は突発的に脇腹を抑えてその場にしゃがみ込んだ。

 「どうした!?」
当然ながら心配そうに駆け寄る真白。




 「・・・うぅ…」
うはっこんな近くに真白たんが!
まじ真白たんかわいいな〜v

私はうめき声を上げ、本気で心配している真白を細目で見る。





 「どうしたのだ?」
 「ふ、古傷が…急に痛み出して…」
というのはもちろん嘘だ。
少しでも真白を引き止めて新たな作戦を考えているところ。


 「・・・どれ、見せてみろ」

隣にちょこんと座り、私の脇腹をまじまじと見つめる真白。

ちょ、そんなに見つめられたら照れるじゃん。
 「…ぇ、いやいや恥ずかしいしv」
 「何を恥じることがある?我とサチの仲ではないか」


真白と私の仲…?

 「嫌だわ…私と真白の仲だとしてもカラダだけは見せられないわ…v」
…今の言葉で私の中の何かがヒートアップしてきたよ。

 「別によいではないか、減るものでもないし」


 「そういうことなのね…!結局・・・結局あなたも私のカラダが目的だったのね!!!?」

 「…ぇ」
 「別れましょ。もうたくさん!これっきりだわ!」










 「・・・一体おぬしは何の話をしているのだ?」






 「・・・うん」
ホントに何の演技してたんだろうね。

真白の言葉で一気に我に返った。


どうやらヒートアップしていたのは私が長年積み重ねていた妄想壁だったらしい。

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あきゅろす。
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