黒白ノ風
570 馴染
そんなはずはない。
自分の考えを否定してはいるものの、選択肢がそれしかないということが分かる。
次の瞬間、真白が答えを言い放った。
「どうもこうも…我が人間に変身して任務を遂行したまでだ」
「…まじ!!!?」
「そんなに驚くことか?」
「いやいや、何となく分かってても驚くでしょ!」
「・・・そうか」
「・・・」
ふっさふさのカワユス真白たんの人間バージョンか…
女かな?男かな?
うはっv
想像するだけで鼻血が…!
でもやっぱりそれって…
…すっごく見たい!!!
「あの…「サチよ…」…ん?」
鼻をふくらませながら真白に話しかけた言葉はさえぎられた。
「どうせおぬしのことだから見たいとか言い始めると思うのだが、着いたぞ」
「いいじゃんちょっとだけ!」
「後でな」
真白は子供をあやすような口調でやんわりと私の要求を断り、目の前にある巨木を見据えた。
「ちぇっ…着いたんか…」
小さな二本足とふさふさの胴体を伸ばしながら巨木を見上げる真白を見ながらひとりで悪態をつく。
ここでふと我に返った。
「って・・・・・・え??」
な、何で到着してんの!?
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