黒白ノ風
563 対応
たかく上空に飛び上がったペイン。
その人は独特な髪型をした女性の畜生道だ。
そのまま木の葉の里の結界に侵入した。
そうするなり畜生道は空に手をかざす。
瞬く間に出現したのは他のペイン5人。
畜生道は一人だけ木の葉の里の結界内に侵入し、口寄せの術によって他の5人を呼び出したのだった。
木の葉側に侵入者の数を1人と思い込ませる作戦だろう。
「サチさん…本当に大丈夫なのでしょうか…」
それを眺めていた白が心配そうに呟いた。
私は奥歯を噛み締めながら
「・・・うん…」
虚ろに返答した。
今出た言葉は本心とは逆だ。
全く大丈夫ではない。
白よりも心配になっているし、動揺もしている。
…おかしいのだ。
私の予想とは反した木の葉の対応に焦燥の念をぬぐいきれないでいる。
そうこう考えているうちにペイン達が6方向に散った。
それぞれ武器を構え、印を結びながらかつて私の住んでいた木の葉の里に散ってゆく。
「・・・」
木の葉の里は、いや…
真白は、おばばはどうしたのだろうか…
「サチさん?」
「…ッ!!」
私は白の問い掛けを合図に結界の上へと跳び上がった。
そして印を結んだ。
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