黒白ノ風
562 襲来
活気のある商店街、静かな川のせせらぎが聞こえる憩いの場、白い湯気がもうもうと上がっている温泉地、里を見守るようにそびえ立つ歴代火影の顔岩。
やはり木の葉の里は変わっていない。
「結界からは出ないでね」
「分かっていますよ」
私と白は乳白色の結界の中にいた。
しかもここは上空だ。
今までは結界といえば私が動けば結界も動くという仕様だったのだが、何だか知らないが上空に出せるようになった上、その固定された結界の中にも入れるようになった。
私の意思で私以外の人も結界の中に入り、外界から姿を消すこともできる。…らしい。
そろそろ本気で真白とかから結界を学ばなければ使い方を間違えて取り返しのつかないことになりかねない。
この術を使うたびにそう思う。
「そろそろ来ますかね」
「そろそろだね」
「ホントに上空から来るんですか?」
「ん。ペインの輪廻眼は木の葉の里をとりまく結界が見えるらしいから」
「…じゃあボク達もまる見えじゃないですか」
「・・・あ。」
「“あ”じゃないですよ…」
「まぁ、攻撃とかはされないと思うよ。とばっちりは来ると思うけどさ」
「・・・ホント大丈夫ですかね…」
呆れたように呟いた白。
少し離れた場所で思い切り飛び上がった人が1人…
「来たよ」
そう呟いた。
白も気付いたらしくそちらに顔を向けた。
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