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黒白ノ風
552 言訳
そして一瞬固まったものの…

 「・・・あのアレだよ、湯気が目にしみてさ…」
とっさにそう答えた。

 「…そうですか」
だいぶ無理のある私の返答に白は違和感なく相槌をうった。





 「では、サチさんにとってボクは何なのでしょうか」

 「・・・え…えっと、」
…何で今こんな質問が出てくるのさ。



 「…か、家族みたいなものかな」
ない頭を必死に絞り、言葉を探して言った。

 「家族、ですか」
 「うん…!」
同じ家(アジト?)に住んでいたし、一緒にご飯とか食べてたし。
この言葉がしっくりきた。



 「…そうですか。サチさんにとっての家族とは、悩み事も打ち明けられないほどのものなのですか。よく分かりました」

 「・・・」
端的に言えば、白は私が泣いていた理由を話してほしいのだろう。

 「・・・」
 「・・・」
しかし、理由を言ったところでまたややこしくなるのも何だか嫌だ。


 「…まぁ、別に言わなくてもいいんですけどね。」
 「ヲイ」


 「…しかし、これだけは言っておきます」
 「・・・?」












 「“らしくないですよ”」

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