[携帯モード] [URL送信]

黒白ノ風
551 質問
 「…ぅえ?」
ぴたりと立ち止まる私。
聞き間違いかと思った。

 「今の時間ですから、誰も来ないでしょうし」
 「・・・」

 「話って…?」
 「色々ですよ」
 「・・・」
返答に困った。
一体どのような話をするのだろうか。

その内容に興味を示す自分と、もし良くない話だったらどうしようなどと怖いと思う自分がいる。





 「おはなし…

…しましょうか」


白は更に圧力をかけてきた。




 「…ハイ。」
まるで肉食動物を前にした草食動物のように縮こまり、絞り出すように返事をした。

来た経路を戻り、少し間をあけて白の隣に腰を下ろした。


少し冷えた体が温められてゆく。




 「気持ちいいですね」
 「…うん」

 「お風呂はお好きですか?」
 「…うん」

 「そうですか、ボクも好きなんですよ。この後のお料理が楽しみです」
 「…そうだね」

 「そのお料理は和風らしいですよ」
 「…そうなんだ。楽しみだなー」

 「えぇとても」
 「・・・」

様子見をするような質問が立て続けにされた。

こんなことを話すために白が呼び止めるはずがない。
そろそろ本題がくるだろう。




 「・・・なぜ、先程泣いていたのですか?」
 「・・・」
きた。

…しかも、見られてたか…

そう思うと同時に私は戸惑った。

[←][→]

29/35ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!