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黒白ノ風
550 不侵
 「…なんでしょうか?」
紛れもなく、その人は白だった。

色々な意味で卒倒しそうな自分を抑えてもう一度指摘した。
 「白ゥ!!?」




 「・・・うるさいですよ」
そして注意された。




 「なななな、なんで…!?」
 「…あれサチさん、その驚きようだと、違うみたいですね」

 「・・・」
違う…?
何が?

 「新しい趣味かと思いましたよ。男湯に何食わぬ顔で入っていることが」

 「ぅえ!?ちぎゃうよ!!」
…噛んだ、噛んだよ。

男湯に間違えて入っていた自分にも驚いたし、白と混浴のようなことをしているということも私を混乱させる。

それに、噛んでまで弁解する自分は白から見たら不審人物も同然だと思う。



 「は白!!わ、わたわた私、のぼせたから上がるれ!」
のぼせてはいないが、実際のところ体温上昇中だ。
慌てて立ち上がった。


ここで自分達の格好についてだが、私も白も、ちゃんとタオルを巻いているのでその辺は気にしないでほしいところ。



 「・・・」
ぱちゃぱちゃと音を立てながら湯の中を進む。
少し上にある石畳に足をかけた時だった。

 「少しお話しませんか?」
ゆっくりとした口調が聞こえた。

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